僕がキリバシを使う理由。
庭の世界で仕事する職人の間には、科学的根拠のない言い伝え、迷信じみた話がいくつもあるもので。
そういった話は、仕事の合間の休憩時間のネタとして共有されるのですが。
その一つに、
「モミジの剪定は枝を折った方が良い」
というのがあります。
モミジの場合、剪定鋏でキレイにスパッと切った切り口の方が傷みやすい。折った方が癒合が早いといいます。
キレイな切り口から伸びる枝は暴れやすい。折った方がその後の枝の伸び方が穏やかになるともいいます。
科学的根拠はありません。
剪定方法が書かれている教科書なんかには、決まって「剪定に使う剪定鋏はよく切れるものを使用すること。」「切り口はキレイにスパッと切れている方が癒合が早い。」と書かれています。
それが一般的ですし常識とされています。
人間が怪我をした際、グシャッと潰れた傷よりもスパッと切れた傷の方が早く治ります。
それと同じということなのでしょう。
なのに。なぜそんな「折った方が良い」説を唱える職人がいるのか。
たぶん、山の中に自生しているモミジの枝が雪や風により折れて。
折れ・裂けた跡から伸びる枝が良い感じだったのでしょう。
僕もその様子を山中で何度も目撃したことがあります。
山に自生するモミジの姿を見て、あんな風に剪定できたらどんなに良いだろうと思うのです。
モミジ。特にイロハモミジ・ヤマモミジの剪定は数ある庭木の中でも大変難しいです。
成長が早く枝が暴れやすいので。
限られた敷地の中で大きさを維持しつつ、風が吹いたらそよぐ枝の柔らかさも残しつつ(モミジは「楓」。木偏に風と書きますからね。)
・・・という矛盾した2つのミッションを達成しなければいけないので頭を悩ませるのです。
ちなみに大きくしたくないからといって無計画に剪定するとモミジはこうなります。(僕が剪定したんじゃないですよ)
これではモミジを植えた意味がなくなってしまっていますよね。
一度こうなってしまうと再び穏やかな枝を取り戻すのはもうほとんどムリです。
一方こちらは穏やかな枝の伸び方をしているモミジ。これでも剪定前の写真です。
このようなモミジならラクに剪定できますし。維持費も少なく済みます。
何より見た目がモミジっぽくて良いです。こういうモミジを僕は目指しているんです。
枝を折る剪定手法。
実際のところはどうなんでしょう。
何はともあれ僕も一応職人です。プロです。
迷信を鵜呑みにするわけにはいきません。
自分で試し確認しなければいけないのです。
・・・そして実験を始めて5年目。結果が見えてきました。
やや見た目の堅さはあるものの、制御できないほどに暴れる枝は少なくなりました。
ジワジワと細かく伸びる優しい枝が増えてきました。
折った部分からの痛み・腐れもありません。
「折る」意外にも大透かしの方法、剪定時季、タイミングなど他のアイディアも同時に試みてはいますが。
「折る」ことに効果を感じています。
「折る」をこれからも続けて行こうと思っているのですが。
いかんせんお客様の大事な庭木を目の前でバキバキ折るのは印象が良くありません。
旨を説明してからバキバキさせていただくものの。ずっと気が引けていました。
そこでキリバシです。
3か月前、初めてキリバシを購入したのです。
(銘は入っていませんが「平行作」のキリバシです。実はアレやコレのキリバシは平行さんのOEMだったりします。多少無理して使っても欠ける気がしない。良いキリバシだと思います。)
キリバシの切り口は適度に荒れるんです。鋏で切ってはいるものの「折る」に近い状態の切り口になります。
例えば。(モミジではなくモッコクですが)
細い枝でもこの通りです。
剪定鋏で切るとこのようにキレイにスパッと切れます。
キリバシに限らず木鋏(蕨手・和鋏)も同様の切り口です。
ただキリバシの方がより太い枝を切断することができるのでモミジの剪定には打って付けです。
キリバシの方が持ち手が長く太いのでテコの原理を効かしやすいのでしょう。
そういえば。東京の先輩庭師さんが「剪定鋏よりも木鋏・キリバシで切った方が枝は伸びにくい。切り口が汚いから。」といった話をしていたことを思い出しました。
モミジに限らず庭木全般に共通する事なのかもしれません。
昔の植木職人は現代の職人よりもはるかに剪定が上手かったと。植木の伸びをコントロールしていたと伝え聞いています。
その理由の一つに昔は「剪定鋏」がまだ日本に入ってきておらず、剪定といえば「木鋏・キリバシ・鋸」のみで行われていたから?
僕が勝手に立てた仮説ですが。
ということでこれからはモミジに限らず庭木全般で。大きくしたくない庭木の剪定はキリバシを使っていこうと思います。
キリバシを使うことで庭木の伸びは穏やかになるのか。新たな実験の始まりです。
まぁー長々と書きましたが。
腰にキリバシぶら下げてる職人って玄人っぽくてカッコイイ。
キリバシを使う理由。
実はそれが一番の理由だったりします(笑)
一番切れる剪定鋏はこれだ!
巷では連日、新型コロナウィルス関連の報道が続いています。
テレビをつければネガティブな話題ばかり。
症状・後遺症の怖さよりもそれにかかってしまったときの手続きやらの面倒くささ・周囲との関係性を考えるとやっぱり罹患したくはないよなー。
ってそんな程度です。
ワクチンはいつ行き渡るのか。
東京五輪パラ五輪はどうなってしまうのか。
もうそんなことよりも未来ある若者の自殺者増えてることにもっと目を向けてくれよと思いますけどね。
私はといいますと、この秋冬は取り憑かれたように剪定鋏を買い続けていました。
ビョーキです。
剪定鋏限定の強迫性買い物依存症に陥っておりました。
つい先日、熱は下がり症状は好転。収束したのですが。
闘病中、以前に投稿したブログの時点よりもさらに多くの剪定鋏を試しました。
その結果、一番切れる剪定鋏はどれなのかが分かったのでお教えいたします。(2020年現在)
なお審査基準としては¥10000以下の価格の鋏とします。
なぜならてっぺんはキリがありませんから。
だいたい僕の道具考として道具はあくまでも仕事で使うものだからです。
仕事で使うということは、無茶な使い方をしなければならない場面も時にはあります。
お高い剪定鋏では躊躇してしまうのです。
眺めて悦に入る工芸品じゃない。
あくまでも仕事に集中できる、ガシガシ使える道具としての剪定鋏。となるとよく切れて、安いにこしたことはないのです。
ではいきなりですが第一位。
アルスV8プロ(写真右側)
結局それかい!とツッコミが入りそうですが。
やっぱりコレです。
前回のブログ後、僕の造園屋仲間の中でも数人が使い始めました。
ブログを見てこの鋏を使い始めたという方もけっこういるとか、、、いないとかw
アルスV8プロはフェルコ8(写真左側)のパクリモデルですが、本家を圧倒しています。
その他の剪定鋏も試しましたが(写真1枚目参照)やはり圧倒的にアルスV8プロが切れる。他者を驚愕しています。もう孤高の存在です。
しかし。ですよ。
人間て飽きるんです。
よく切れる。それだけでは面白くなくなってくるんです。
枝をはさんだときの感触や音。それを「切れ味」と呼べばいいのでしょうか。
たまにはいつもと違う味を食したくなるんです。
毎朝、白ご飯と味噌汁の我が家ですが、たまにはパンとコーヒーの朝食がいいんです。
手打ちで値段も高くない剪定鋏では「吾妻川」が良いです。
5年ほど前に京都観光したときに寄った「坪田金物」で見つけて買った吾妻川の「剪定芽切り鋏」。
これがめちゃくちゃ良くて。
細かい作業はもちろん、太い枝までスパッと切れます。
それまでは、マツやマキに関しては木鋏(蕨手)と剪定鋏を枝の太さに応じて使い分けていましたが
「剪定芽切り鋏」ならこれ一丁で済んでしまうので結果、鋏を持ち替える回数が減りスピードアップにつながります。
芽切り鋏系もいくつか試しましたがやはりこの吾妻川「剪定芽切り鋏」が圧倒的に切れます。
切れるその秘密は、この刃の独特なカーブにあるのでしょう。
このカーブを生み出した吾妻川さんって凄いな。他の製品はどうなのだろう?と「剪定鋏B型」と「軽量剪定鋏」というものも買ってみたり。
左から「剪定芽切り鋏」「軽量剪定鋏」「剪定鋏B型」。
「剪定芽切り鋏」に出会った時ほどの感動はありませんでしたが、どちらも良い「切れ味」してます。
吾妻川「剪定鋏B型」良いんですけどね。
刃の幅が広過ぎて、細かい作業が出来なすぎるんです・・・
魔改造。
吾妻川の鋏鍛治職人さんに怒られそうです・・・。
刃先にかけてスリムに改造したのでした。
良い!
自分の使い方に応じて。楽しみながら。試しながら。
お盆前、正月前は2〜3ヶ月間ただひたすらに剪定、お手入れ仕事が続くものです。
来る日も来る日も剪定&お掃除の日々。
マンネリ化。
頭がボーッとして凝り固まってくることもあります。
そんな時には鋏を切り替えて、同時に頭も切り替えてフレッシュな状態で仕事に臨んでいけたらいいですねー。
刈込み鋏 「京都門型」「リョウテ」
京都の刈込み鋏は独特の形をしています。(写真中央)
「京都門型」といって刃は肉厚。幅は狭く長さは短く。柄の付け根から刃にかけての鉄芯は大きく膨らんでいます。
京都の職人の間では両手で使うことから「リョウテ」と呼ばれています。
「刈り込み」という剪定方法は、枝葉の「線」と「面」をビシッと綺麗に歪みなく刈り揃える。
線・面からは葉っぱ1枚飛び出ていない仕上がりを良い仕事とするものです。
しかしこのリョウテは刃が短い形状のため通常の刈込鋏(写真左側・右側)に比べて線と面を出しにくいんです。
なので線と面を出しやすい刃の長い写真左側・右側のような普通の形の刈込み鋏を20年近く、ずっと使っていました。
十数年前の修行時代。とある日の休憩時。応援のベテラン職人さんとの会話の中で「京都の刈り込みはやんわり仕上げるもんや。だからリョウテはこの形がええねん。」と教えられ、その言葉に感銘を受け是非試してみたいと思い、修行中でとにかく貧乏でしたが「安広さん」のリョウテを清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入したのでした。
鋏は、新品の場合はすぐに使うのではなく1年間油紙に包んで寝かせておくと刃が強くなると言います。
また下ろす時季も春の新芽の頃に下ろして柔らかい枝から徐々に慣らしていくのが良いといわれます。
それらを忠実に守りそうして下ろした初日。
まさかの出来事が。
刈り始めて数分後に、あっさり欠けたんです。しかも数ヶ所。
それぞれの欠けが3ミリくらいにガッツリと。
しかもコノテガシワというたいして硬くもない木で。
もうショックやら悲しいしいやら・・・。
自分には手に負えないレベルの欠けでしたので修理に出しました。
まだ当時の安広さんは代が変わってから日が浅く未熟だったのでしょうか・・・。
修理には時間がかかるものです。そうこうしている間に修行を終え京都から埼玉へ移住。独立開業していました。
独立開業して一ヶ月ほどで東日本大震災があり。
もちろん埼玉は大した被害はありませんでしたが不穏な空気に包まれていて仕事は全くなく。
・・・それから今日まではあっという間でした。
とにかくご飯を食べるために必死のパッチで仕事を獲り、こなしていく日々。
既に修理は済み届いてはいましたが、リョウテのことはすっかり忘れていました。
普通の刈込み鋏で仕事をしていました。
独立して今年で10年目。
今朝、どうしたことでしょうか。
ふと、あのベテラン職人さんの言葉を思い出し。そして道具置き場の隅からホコリだらけのリョウテを取り出し簡単に清掃して現場に持って行ったのでした。
カナメモチの生垣を刈ってみました。
欠けが怖く最初はおっかなびっくりでしたがしばらく使ってみてどうやら大丈夫そうな手応え。
修理の際に刃に改良を加えたのでしょうか?安定してめちゃめちゃよく切れる。
リョウテを使った感想。
少しコツがいります。
面や線を意識しつつ、その面や線よりも少し深い部分にリョウテの刃を入れて刈るイメージ。葉を刈るというよりも枝を挟み込むようなイメージ。
そんな感じで刈ると上手くいくようです。
そしてこの刈り方ではこのリョウテの形がすこぶる調子が良い。
仕上がりの写真を載せますが、これはこれでフワッとやんわり良い感じです。
こう見えてちゃんと1年で伸びた分を縮めることができています。
そして作業性ですがリョウテでの仕事はラクです。
やんわりした仕上がりなので線や面から葉が一枚飛び出してるのが気になるということがありません。
神経質になり過ぎなくて良いいんです。
遠くから見たら、やんわりですが線が出ています。
カッチリし過ぎない仕上がり。良い感じです。
もしかしたらバリカン(ヘッジトリマー)で刈るよりも作業スピードが早いかもしれません。(樹種によるかもしれませんが)
そういうことであれば埼玉でリョウテを使う意義もあります。
今日はカナメモチだけですが、他の植木もリョウテでやってみたくなります。
後日
これはリョウテで刈ったもの。
右のモクセイはリョウテで。
カナメモチとツゲはリョウテで。
サザンカの生垣はリョウテで。
モチはリョウテで。
同様の現場の過去画像。このモチは普通の刈込み鋏で。
過去画像。このサザンカの生垣はバリカンで
過去画像。このコニファーはバリカンで。
過去画像。このレッドロビンの生垣はバリカンで。
過去画像。ドウダンの生垣はバリカンで。線で遊んでいる生垣です。
この巨大なキンモクセイはバリカン&普通の刈込み鋏で。
リョウテと普通の刈込み鋏・バリカンとの違い分かっていただけましたでしょうか?
リョウテで刈った方が仕上がりが柔らかいと思いませんか!?
写真じゃなかなか伝わらないかもしれませんが、
この違いをご自身の目で確認したい方は仕事させて下さいw
僕は京都でも、町屋や数寄屋を多く手がける店と禅宗寺院を多く手がける店の2件で修行させてもらいました。
リョウテのことは前者の店の現場の応援に来ていたベテラン職人さんに教わりました。
前者の店では刈り込み作業は一切なく。生垣でもサツキの玉でも剪定鋏でフワッと透かす剪定をしていました。
後者の店では刈り込み作業、特に生垣は沢山ありましたし、刈込みと言えばビシッと刈ってこそが良い仕事という価値観でしたので同じ京都のお手入れ・剪定と言えども一辺倒ではないことを改めて思い出します。
そしてやはり照り屋根で角柱、漆喰白壁の社寺建築の庭、方丈庭園にはビシッと線と面の出ている緊張感ある佇まいの生垣の方が似合います。
一方でムクリ屋根で丸太の柱・垂木、中塗り仕舞いの土壁の数寄屋建築の庭、茶庭にはフワッとやんわりな生垣の方がやっぱり似合います。
場所に応じて何が合うのか。どう刈り込むべきか、どう剪定するべきかがよく考えられています。
刈り込みといえども。剪定といえども奥が深い。
京都の刈込みからもまた一つ学んでしまいました。
場所に応じて、場所を読み剪定する。
庭作りするように手を入れる。
それが今でも僕の目指す剪定・お手入れなのですが、
当時を思い出し襟を正しています。
ゴンドラ!
今年に入り。弊社にとっては少々規模の大きい剪定・伐採現場が続いています。
デキる仲間の助けも借りながら。
昨年11月。クレーンの先にゴンドラを取り付けできるように改良しました。
それまでは
「木に登れば作業できるし、今までずっとそうやってきたし、これからもそんなの要らないよ」
って強がってきたけど、
訂正します。やっぱり便利です。ゴンドラ!
ゴンドラを使っての剪定・伐採のご依頼お待ちしております
もちろんゴンドラを使えない現場のご依頼もお待ちしております!
造園屋さんの道具集 〜鋏〜
お正月まであと2週間。
剪定の仕事の最盛期です。かれこれ2ヶ月間休みナシです。
ということで造園屋さんの道具集。2回目。
鋏(ハサミ)です。
僕がメインで使っている剪定鋏です。
アルスのV8pro
この剪定鋏。2年くらい使っているとある日突然バネがちぎれます。ちぎれると使い物にならないのでその都度新品に買い直していたのですが。最近交換用のバネがあることを知り早速取り寄せこの度復活いたしました。
これで十数年は鋏買わなくて済みそうです。
この剪定鋏にたどり着くまでの道のりは長く・・・
オカツネ。フェルコ。鋏職人による手打ちのもの・・・
写真以外にも様々な剪定鋏を試しましたが、やっぱりアルスV8proが一番良い。
決してアルスの回し者ではありません。
単に僕の手との相性が良いのだと思います。
これは刈り込み鋏。両手で使うので、職人の間ではリョウテと呼んだりします。
左は福井の「紋治郎」という名の刈り込み鋏で右は京都の「安広さん」です。
安広は8年ほど前に買ったものですが、すぐに刃がこぼれてしまい使い物になりませんでした。
研ぎ直してもらいましたが現場に持って行くのは恐いのでもっぱら道具置き場の飾りになってます。
今はもっと良い刈込み鋏になっているのでしょうか?
紋治郎は15年前に千葉の金物屋で買いました。刃は厚くないものの、重いので刈り込む際に手がブレにくくパワーもあります。多少無茶な使い方をしても刃がこぼれたこともありません。柔らかい植木から堅い植木までこれ一丁で仕事できるので気に入っています。
蕨手(ワラビデ)。木鋏とも呼びます。
これは京都大覚寺の「野中さん」のもの。12年前に購入。先代に打っていただいたものです。
植木屋さんと言えばこの鋏を思い浮かべる人が多いと思いますが実際はほとんど使いません。
芽の細かいマツ・マキの剪定の際には使いますが、普段は剪定鋏と鋸だけ腰にぶら下げて仕事しています。
蕨手は細かい仕事向きです。
東京をはじめ関東の職人さんは常に蕨手もぶら下げて仕事をしているようです。
京都では皆、剪定鋏と鋸のみです。(こだわる人はキリバシと鋸のみ)
この違いはどこからくるのかというと。剪定の方法が違うからではないでしょうか。
東京は細かく枝先を割って透かしつつ縮める剪定を「良い仕事」とするようですが京都はそうでもなくて、
大胆に、必要最低限にしか枝をはさまずに(切らずに)縮める仕事を良しとする傾向があります。
剪定方法が違う。はさむ枝の太さが違うので道具も変わってくるのではないでしょうか。
必然的に剪定後の仕上がりも京都と東京では違います。
京都は枝数が少ないです。また登って剪定できるように仕立てられてます。
東京は細かく綺麗に全体的に透かしてあり枝数も多いです。なので登って剪定するのは難しそう。
京都は天端(頭)を小さくするけど東京は頭でっかちな木が多い。
京都の方がはさむ回数が少ないので仕事のスピードが速い。東京が遅いというわけではありませんが。
はさむ回数は少ないですが京都の方が枝ゴミ(ゴミと言ってもリサイクルします)の量が多いです。
京都で修行したからといって東京の剪定手法を否定する内容ではありません。
京都の剪定は京風の建築に似合うように。東京の職人さんが剪定した植木はやっぱり江戸風の無骨な建築に似合います。
大きな違いがもう一つ。東京の剪定の方が一年後の枝の伸び方がおとなしいです。
細かく剪定し、残す枝数が多いので、伸びるエネルギーが分散されるからです。
京都は枝数を減らして剪定するものだから、剪定直後は綺麗でも1年後はけっこう枝が暴れます。
以上、京都と東京の剪定の大きな違いでした。
ちなみに僕はその両方のいいとこどりした剪定ができたらなと思っています。
具体的には、大胆に枝をはずしつつも、残した枝先をマメにはさむということです。
そうやって心がけ始め今年で早3年目。
少しずつ変化があるような。
・・・ないようなw
まだまだ僕なりの研究は続きます・・・
鋏の話からだいぶそれましたが。
次回は鋸(ノコギリ)です。
気が向いたら更新したいと思います。
造園屋さんの道具集 〜三脚編〜
1か月ほど前ですが、三脚を追加で1つ作りました。
今回はヒノキ丸太を使用。
竹は自宅の隣の竹林から切り出す。自由に伐っていいのでいつも助かっています。
木枯らし1号が吹いた後とはいえ、ちょっと伐る時季が早かったかな。(竹は真冬に切ったものの方が長持ちします)
改めて替えればいいか。
うちの三脚は、見た目はフツーですが各部の寸法を工夫しています。
とりあえずスタッキングできます。こう見えて4つ載っています。
今まで修行してきた各店の三脚の寸法を参考にしたり、先輩に聞いたり、人のを見て盗んだり。
いいとこどりで作った三脚。だから僕にとっては世界一使いやすい三脚なんです。
左側の2つは京都の北山杉、順に三重県の杉、ヒノキです。3種類の材料で作ってみたけど今のところ北山杉が丈夫だし重さもマシです。(そりゃアルミ製に比べれば重たいですけどね・・・)
これは北山杉の年輪。
これはヒノキ
ぜんぜん違うでしょ!?
北山杉は年輪がこまかいから太くなくても強度が出るし、太くないから軽量化できる。
北山杉の三脚は作ってからもうすぐ6年経つけどどこも傷んでないです。まだまだ使える。
いつかまた仕入れに行かなきゃね。
1月。
1月です。1月といえばカレンダー。
ウチは造園業なんでやっぱりチェーンソーメーカー「スチール」のカレンダーを飾らなくっちゃ。
非売品ですが手に入ったし。
パツキン美女がケガをしそうな格好でチェーンソーを抱えていたり。しかも山の中。しかも油まみれ。
ありえない状況の写真の数々。唸ります。
作業場に飾ってみる。
風がwww!
今年も高麗神社にてご祈祷していただきました。そのお札が右側。
左側は入間市宮寺の出雲祝神社で執り行った木魂式のお札です。東京・埼玉を中心とした若手植木屋十数人で行ってまいりました。
木魂式の後は埼玉入間代表の山口庭園さんが作ったお庭をいくつか拝見させていただきました。山口さんの解説付きです。
何気なく美しい。なんか居心地良い。そんな空間を作るのってとても難しい。竹垣・土塀・石の扱い。構造物に絡めて山採りの原種中心の植栽。どのお庭にも野山の趣きある空間が見事に構成されていました。街中なのに、その一角だけ良い空気が流れてる。そんな感じ。唸りました。
僕もいつか皆さんに作ったお庭を見せられるように精進しなくては。
1月は、昨年末に回りきれなかった剪定の仕事をさせていただいたり。
仲間の応援で千葉県へ出張したり。
今度の庭作りで設置する予定のフェンスのサンプルを作ってみたり。
全く新しい施工方法です。
鋼材の柱を使って。
板はヒノキを使って。
カッコ良くて。
施工がシンプルで、現場で早く組み立てられて。
板の部分が腐ったら簡単に取り換えられる仕組みで。
1年近く前から頭の中では案を練ってきたけど実際に作ってみると何がダメでどうしたらいいのかが分かります。
本番は、もっと良いものができそう。
昨年末にまた道具を買い。
カクノミと
エンジン溶接・発電機。
150アンペアだから厚さ6ミリの鉄板くらいまで溶接できるはず。
それ以上の仕事はプロに任せればいいんです。
どちらも中古とはいえ安くはないので勇気がいる。
でも頭の中のアイディアを実現するためには必要なので。
できるだけ自分自身の手で作りたいので!
楽しみだ!
三脚
12月1日より従業員を雇い始めました。
植木屋さんの仕事の基本は庭木の剪定です。
剪定に必要不可欠な道具。「三脚」
自分で使う三脚は自分自身で作ってもらいます。
便利だけど一つ使い方を間違えると命を落としかねない三脚。
自分で作れば構造を理解できて、どう使ったら危険かが分かると思います。
自分で作れば愛着も湧いて大事に使うだろうし。
実際に本人も「可愛いッス」と言っております。
僕の三脚も竹の部分が痛んできたので新品に交換しました。
作ってから3年近く経ちますが、木の部分は何にも痛んでいません。まだまだ使えます。
木の部分は京都の北山杉(台杉)を使っています。
北山杉は年輪が細かく丈夫ですしヒノキに比べて軽いので。
竹の部分も今の時期に伐ったものを使用。水を上げていないので長持ちします。
寸法は自分の体格やトラックのサイズや使い方を考慮して決めています。
たかが三脚ですが結構こだわって作っていたりします。
三脚の材料や寸法や作り方は職人さんが個々で工夫して作るものなので、日本全国の職人さんの三脚を比べる機会があったらとても面白いかも。三脚を通して各地の風土を感じられると思うのです(庭園雑誌でそんな企画があったら買っちゃうなー。)
小型移動式クレーンを
ローンでw!
勿論中古ですが。
2.6トン吊りクレーン リモコン付
4リッターディーゼルターボエンジン。
最大積載量3トン ショート&ちょいワイドボディ
造園屋にはちょうど良い仕様だと思います。
ただ。中古なので色が選べなくてシルバー。ピカピカのホイールカバーも付いてるし。
なんだかヤンチャなイメージです。
僕のイメージとはちょっと違うのでこれから少しずつ改造していきたいと思います。
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- 埼玉県日高市の造園会社です。 庭作り・造園・外構工事・剪定・お手入れをする会社です。 ホームページはこちらからご覧いただけます ➡http://zoen-arai.com
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