<< マンションの外構工事(改修工事) | main | 犬のプール >>
2015.08.01 Saturday

古民家の庭 修復工事

0

    日高市高麗本郷にある古民家でちょっとした修復工事をさせていただきました。

    150724-018.JPG

    古民家について、詳しくはこちら↓
    日高市のホームページを参考にしてください。


    これは修復工事の1年ほど前の写真です。
    修復箇所について。

    客殿南側
    140827-022.JPG

    縁先手水鉢(えんさきちょうずばち)が傾いていたのでこれを直します。


    「縁先手水鉢」というのは江戸初期に形式化された手を洗う装置です。
    普通、縁先手水鉢といえば堅いけれど加工しやすい御影石(花崗岩)に穴を穿ったものを使います。
    こんな感じで。
    P_20150125_161540.jpg
    この古民家の目の前には高麗川が流れており川石はいくらでも採取できますが花崗岩はありません。
    花崗岩の代用として細長い川石の天端を平らに加工し、その上に桶を載せて縁先手水鉢として利用していたようです。

    また、犬走りもこの通りボロボロ。
    140827-016.JPG
    川石で縁取ったその中は「洗い出し仕上げ」が施されていましたが、これは近年になってからのもの。
    この部分を解体して掘ってみると、本来は砂利が敷き詰められていた、もしくは三和土で仕上げられていたであろう痕跡がありました。
    今回はとりあえず砂利を敷き詰めて仕上げます。

    こちらは客殿北側の坪庭。
    140827-017.JPG

    美意識高い石組みがありました。
    140827-020.JPG
    かつての日本庭園(お寺の庭や大名庭園など)で大量生産された亀石組に見えます。でもセットであるべきはずの鶴石組がないのでたぶん違います。
    とにかくこのままではカッコイイ石組みが隠れてしまって勿体ないので、ヤブミョウガなど余計なものを取り除いて石を見せた方がいいです。

    また、軒先の下の地面がむき出しなので雨水が飛び散り壁を汚しています。
    日本建築は雨樋がない場合、軒先下には「雨落ち」を設けるのが普通ですがここではその痕跡は見当たりませんでした。
    140827-021.JPG
    飛び石の据え付け高さが通常よりも高いので庭全体に砂利が敷き詰められていたのかもしれません。
    砂利が敷き詰められていれば雨の飛散も防げます。

    古木のモチノキの根元には不思議な石がゴロゴロ。よく見ると外周に石を並べて四角く囲っているようです。
    140827-019.JPG
    サカキの切り株もあることから祠があったようです。
    転がしてあるだけの余計な石は取り払い、祠があったことを示します。


    そんな感じで着工。
    150715-002.JPG

    基本的に石はそのままに、触りません。(たとえ変だなと思っても。)
    明らかにコケたり倒れたりしたことが判別できる石は据え直しましたが。
    150722-001.JPG
    石を見せるために周りの土を削ってタマリュウを植えました。
    タマリュウは高さがそのままで密に繁れば草が生えにくくなるので維持管理がしやすいです。(管理はシルバー人材派遣の方)

    150722-002.JPG
    土に埋もれていた石があったので出してあげます。

    勾配を見ながら建物側に水が溜まらないように整地。
    150722-003.JPG

    砂利を敷き詰めて仕上げ。
    作業完了です。
    150724-001.JPG

    150724-020.JPG

    150724-002.JPG

    150724-003.JPG

    150724-004.JPG

    150724-005.JPG
    想像以上に独特で、力強くてカッコイイ石組み!
    何かを意図して組まれていると思われますが記録が残っていないため分かりません。ただ、ハイセンスなのは間違いないです。
    こんな石組みが日高の田舎に存在していたなんて涙が出そう。

    昔、祠があった場所はこんな感じで仕上げ。
    150724-007.JPG

    150724-008.JPG


    客殿南側


    150724-011.JPG
    全ての石には意味がある。使い勝手を考えて据えている。


    縁先手水鉢で手を洗う際に水が落ちる部分(「海」といいます)には高麗川の石の、特に赤い石を選んで敷き詰めてありました。
    京都の料亭やお茶屋さんなど、派手な演出が好まれるお庭に、これと同じやり方を見たことがあります。



    京都での造園修行中、文化財庭園の修復工事などを経験させていただきました(作業員Aですが)。
    発掘調査と同時に古文書や図面や古地図など過去の文献を参考にしながらなるべく作庭当時の施工方法で修復していくのですが、今回の古民家に関する文献は一切残っていませんでしたので、想像するしかありませんでした。
    想像には限界があって分からないことだらけです。なので分からない部分は一切手を付けずそのままに、必要最低限の処置をさせていただきました。

    このお庭は地元で取れた石を工夫して庭作りしています。
    これこそが「風土」なのだと思います。建築も風土を体現していて面白いですが、このお庭もなかなか見ごたえあります。

    難しいこと抜きにして単純に石の扱いが独特で、上手いです。お庭好きには是非見て欲しいなって思います。


    (写真は昭和30年代に撮影されたもの)










     
    コメント
    シュナウザーってなんですか?
    と思ってググってみました。

    カワイイ犬ですねー!
    • 管理人です。
    • 2015.08.02 Sunday 21:53
    改修工事後の石群の中に人の顔に見える石とシュナウザーの顔にそっくりな石を発見しました(^-^;
    • よしかわ
    • 2015.08.01 Saturday 20:27
    コメントする








     
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック
    Calendar
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031    
    << July 2018 >>
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Recent Comment
    Links
    Profile
    Search this site.
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered by
    30days Album
    無料ブログ作成サービス JUGEM