<< 造園屋さんの道具集 〜三脚編〜 | main | モミジ アオハダ 水鉢 >>
2015.12.17 Thursday

造園屋さんの道具集 〜鋏〜

0

    お正月まであと2週間。
    剪定の仕事の最盛期です。かれこれ2ヶ月間休みナシです。

    ということで造園屋さんの道具集。2回目。
    鋏(ハサミ)です。

    僕がメインで使っている剪定鋏です。
    DSCN0496.JPG
    アルスのV8pro

    この剪定鋏。2年くらい使っているとある日突然バネがちぎれます。ちぎれると使い物にならないのでその都度新品に買い直していたのですが。最近交換用のバネがあることを知り早速取り寄せこの度復活いたしました。
    これで十数年は鋏買わなくて済みそうです。

    この剪定鋏にたどり着くまでの道のりは長く・・・
    オカツネ。フェルコ。鋏職人による手打ちのもの・・・DSCN0500.JPG
    写真以外にも様々な剪定鋏を試しましたが、やっぱりアルスV8proが一番良い。
    決してアルスの回し者ではありません。
    単に僕の手との相性が良いのだと思います。


    これは刈り込み鋏。両手で使うので、職人の間ではリョウテと呼んだりします。
    DSCN0530.JPG
    左は福井の「紋治郎」という名の刈り込み鋏で右は京都の「安広さん」です。

    安広は8年ほど前に買ったものですが、すぐに刃がこぼれるので使い物になりません。元通りに直してもらいましたが現場に持って行くことはなくなりもっぱら道具置き場の飾りになってます。
    今はもっと良い鋏になっているのでしょうか?

    紋治郎は15年前になんとなく千葉の金物屋で買いました。刃は厚くないものの、重いので刈り込む際に手がブレにくくパワーもあります。多少無茶な使い方をしても刃がこぼれたこともありません。柔らかい植木から堅い植木までこれ一丁で仕事できるので気に入っています。


    蕨手(ワラビデ)
    DSCN0502.JPG
    これは京都大覚寺の「野中さん」のもの。12年前に購入なので先代が打ったものです。

    植木屋さんと言えばこの鋏を思い浮かべる人が多いと思いますが実際はほとんど使いません。芽の細かいマツの剪定の際には使いますが、普段は剪定鋏と鋸だけ腰にぶら下げて仕事しています。
    蕨手は細かい仕事向きです。

    東京をはじめ関東の職人さんは常に蕨手もぶら下げて仕事をしているようです。
    一方京都では皆、剪定鋏と鋸のみです。(こだわる人はキリバシと鋸のみ)

    この違いはどこからくるのかというと。剪定の方法が違うからではないでしょうか。
    東京は細かく枝先を割って透かしつつ縮める剪定を「良い仕事」としますが京都は逆で、
    大胆に、必要最低限にしか枝をはさまずに(切らずに)縮める仕事を良しとする傾向があります。
    仕事の仕方が違うので道具も変わってくるようです。

    必然的に剪定後の仕上がりも京都と東京では違います。
    何が違うかというと京都は枝数が少ないです。登って剪定できるように仕立てられてます。東京は細かく綺麗に全体的に透かしてある。枝数も多いです。だから登って剪定するのは難しそう。
    京都は天端(頭)を小さくするけど東京は大きい木が多い。
    京都の方がはさむ数が少ないので仕事のスピードが速い。東京が遅いというわけではありませんが。
    また、はさむ回数は少ないけど京都の方が枝ゴミ(ゴミと言ってもリサイクルします)の量が多いです。

    京都で修行したからといって東京の仕事を否定する内容ではありません。
    京都の剪定は京都の洒脱な雰囲気の和風建築にバッチリ合うように。東京の職人さんが剪定した植木はやっぱり江戸風の無骨な和風建築に合います。
    あと、気候。京都の湿った空気。東京の乾燥した空気、北風の強さなども仕上がりに影響しているのでしょう。

    それと大きな違いがもう一つ。東京の剪定の方が一年後の枝の伸び方がおとなしいです。
    細かく剪定し、残す枝数が多いので、伸びるエネルギーが分散されるからです。京都は枝数を減らして剪定するものだから、剪定直後は綺麗でも1年後はけっこう枝が暴れます。

    だから。僕はその両方のいいとこどりした剪定ができたらなと思っています。
    具体的には、大胆に枝をはずしつつも、残した枝先をマメにつまむ(切る)ということです。

    そんな風に心がけ始めて今年で3年目。
    少しずつ変化があるような。・・・ないようなw
    まだまだ僕なりの研究は続きます・・・

    鋏の話からだいぶそれましたが。
    次回は鋸(ノコギリ)です。
    気が向いたら更新したいと思います。
    DSCN0514.JPG




     

    コメント
    コメントする








     
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック
    Calendar
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    << June 2018 >>
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Recent Comment
    Links
    Profile
    Search this site.
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered by
    30days Album
    無料ブログ作成サービス JUGEM