毎年恒例の木魂式。
(僕ら造園屋は日々草木を植え、手入れをし、世の中の緑を増やす仕事をしています。
その一方で伐採する・抜くなどあまたの植物を殺めています。
生殺与奪。罪多き側面のある仕事です。
年に一度日々の行いを懺悔し植物の御霊に感謝する。それが木魂式です。
入間の山口庭園の山口さん、立川の清流園・鈴木さん、青梅の庭関塚の関塚さんらが始め今年で10回目くらい?僕は2回目くらいから参加させていただいています。
本年は僕が幹事を務めさせていただきました。
したがって高麗神社にて執り行いました。
なかなかの参加人数でしたので不安でしたが滞りなく終えることができました。
今回はマイクロバスをチャーターして。
近所に弊社施工のお庭がいくつかありますので、折角なのでそのうちの3箇所を見ていただきました。
安諸庭園、石正園、金綱造園などの「名店」で修行された。そうそうたる面々。
同業者でありお庭のプロである方々に見てもらうって勇気がいります。
でも僕の作らせていただいたお庭を見てもらうことで新年会&二次会での話の種になればいいなと思いましたし、
僕の作らせていただいた庭に対してのプロ目線の感想・ご意見を聞きたかったので。
造園修行中は毎日のように怒られ否定されます。
しかしその期間が終わり、独立開業して十数年も頭で仕事をしていると誰かに意見されることがなくなります。
一生懸命に仕事をすれば全てのお施主様は大変喜んでくれます。当たり前です。お施主様は素人ですから。
このままでは「井の中の蛙」、「裸の王様」になってしまうような怖さがありました。
お庭見学会の後の新年会・二次会。ひとしきり酒を飲んだ後、嬉しいことを言っていただきました。
「新井さんてちゃんと修行した人だってことが今日わかった」
「庭の変態だね」
もうね。お庭に人生懸けている僕とって、もうこれ以上の褒め言葉はありません。
一方で少々耳の痛いご意見も。
「植木に元気がないのが気になる」
確かにそうなんです。
でも。そこに関しては僕の信条があって。
植木は生かさず殺さずを目指しています。
山野に自生する。厳しい環境に耐え忍ぶ木の姿を理想としています。
元気すぎない伸びすぎない。剪定が大変ではないように樹勢をコントロールできている。
それが僕の考える理想の植木のあり方です。
具体的な方法としては肥料は一切あげない、剪定時にストレスを与える(枝を折る・葉をむしる等様々な方法がありますが割愛します)などです。
なかなか生かさず殺さずのバランスが難しく思い通りいかないこともありますが。
まだまだ修行中です。
不自然な行為で自然を表現する。
やはり造園業というのは罪多き職業。
木魂式はこの先もずっと続けていきたい行事です。
今回、弊社施工の庭に関してのプロのご意見をたくさんいただけました。
それらの言葉は僕の血となり肉となります。
ゆっくり咀嚼し消化しながら、改めて仕事に打ち込む所存です。
皆さんのお庭も是非見てみたい。ブログやインスタの写真や動画では何がどうなっているのかわからないので。
実際に足を運んで、作者の話を聞いて。酒を酌み交わして。
それ絶対に楽しいやつ。
お庭見学会も開催できれば良いな。
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令和6年1月1日に発生した能登半島地震により、犠牲となられた方々におくやみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
僕の母が石川県の七尾出身です。
七尾市には6つ上の従兄弟が住んでいます。
幸い従兄弟家族は全員無事でした。
家屋の外壁や瓦が落ち、屋内は家具が倒れめちゃくちゃらしいですが。
断水と停電は今も続いているようです。
3トントラックに水と食料・燃料・発電機を積んで駆け付けたい旨を伝えましたが、今はまだそれができる時期ではないようです。
道路が寸断され限られた陸路は深刻な渋滞が発生しており一般人がアクセスすると混乱を招いてしまうとのことです。
ここは我慢して、受け入れ態勢が整ったら向かうつもりです。
石川県の「災害ボランティア事前登録」にも登録しました。
造園職人ですので、ユンボ・小型移動式クレーン・高所作業車の運転・オペができます。
高所での作業もできます。
スコップ・バール・ツルハシ・ハンマーなど道具の扱いに慣れています。
きっと復興事業のお役にたてると思います。
41年前。見附島にて。
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今度は外構工事です。
ブロック積んで、フェンス取り付けて。
リクシルの機能門柱立てて。
駐車場はコンクリート土間打ちで・・・って
そんなありきたりな外構デザインではなくて。
造園屋にしかできない駐車場を作ってみました。
石材の調達はいつもの採石場です。
車が上手く収まるように何度も出し入れして確認しながら石を組みました。
完成です。
四駆車が「絵」になる駐車場です。
石や植物があることで四駆車が映える。
四駆車があることで石や植物が際立つ。
四駆車自体も石や植物と同様に庭の構造物という考え方です。
四駆車を駐めれば目隠しになってくれます。
さらに家の中から四駆車を眺め、愛でることができます。
一石二鳥です。
自然石の車止めです。
この駐車場、見た目とは裏腹に意外と駐めやすいんです。
運転へたくそな妻も毎日問題なく駐めています。
緻密に計算して石を配置していたりしますので。
駐車すると四駆車のリアがローズマリーに触れるようになっています。
駐車するとあの香りがフワッと漂う。という演出です。
車を駐めていない時の景色。
高木にはポプラを3本植えました。
やたら大きくなる木なので普通、個人の庭に植えることはありえないのですが。
僕には策がありますので。乞うご期待です。
印象派のパレットのような模様の景石。僕の好きな石です。
アロニアが良い仕事してくれてます。
チカラシバ
「造園屋の作った擁壁」+「ウエストリンギア」。
造園屋の作った擁壁なので一部を洗い出してみたり。あえてジャンカにしたりしています。
アプローチを塞ぐように、李禹煥みたいに大きめの石が転がしてあるし。
サビサビのワイヤー。あえての付けっ放し。
古材の板石+割グリ石。
「歩きやすさ」よりも「眺め」を重視した玄関へのアプローチです。
あえて歩きにくくしています。
「あ・え・て」です。
割グリ石をただ転がしているように見えるかもですが、「雨落ち」です。
雨樋が便利なのは承知していますが。風情があるのは断然こちらです。
雨の日、軒先から雨落ちへ落ちる雫を眺める。
不規則な音に耳を傾けるとしばし時間が止まります。
雨の多い日本の先人たちが考えた。雨を楽しむ装置であり「インスタレーション」だと思います。
ナカとソトも繋がりました。
ナカとソトの境界線は曖昧に。溶け合うように。
まだ色々と未完成。
擁壁の裏側(家側)は「壁面緑化」にする予定です。
頭の中では完成しているのですが。
いつ着手できるかなぁ。
気が変わって、ガラスを張って水槽にするかも。
植物が好きですが魚も大好きなので。
またこのブログで報告させてくださいm(_ _)m
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いよいよ庭です。
造園屋が自宅の庭を作るとき。
どんな庭を作るのか。
まずは植木畑にストックしてあったシダレザクラ「エドヒガン」を植えました。
濃いめのピンクで一重咲きのシダレザクラ。
大好きな木なのでこれだけはそばに置いておきたかったのです。
原種ですから長寿です。
誰かが伐らなければ何百年だって生きるはず。
日々この桜の成長を見守りながら。
春夏秋冬。
桜があることでよりリアルに感じられる四季の移ろい。
それらを身近に感じて暮らす・・・
やっぱサクラは良いですよね。
日本人ですからね。
あと、庭でやりたいこと。
といえば畑でしょうか。
掘削して、
黒土を入れました。
手に負える広さの畑はこれくらいかな。と。
見ての通り掘削した残土はガラが入っているような良くない土なので。
家の際に盛り。
古材のカズラ石を据え付け階段orベンチとし。
芝生を貼って。
「芝デッキ」です。
残土を有効利用しました。
ウッドデッキよりもお安く済みます。残土の処分代も浮きます。
メンテナンスだって、そこまで大変じゃないです。
ありそうでなかった「芝デッキ」。
僕が発明しました。
ということで。
あと庭でやりたいことといえば。
キャンプ。BBQ。焚き火。昼寝。プール。竹馬。縄跳び。鯉のぼりを立てる。ラジコン走らせる。キャッチボール。ルアー釣りのキャスティングの練習・・・
やりたいことがありすぎて。
そうなるとBBQコンロやらファイヤーピットやらベンチやらの構造物を造ってしまうと用途が限られてしまうように思えてきて。(造園屋の僕が言うのも変な話かもしれませんが。)
結局、、、芝庭。
芝庭は自由度が高いです。
キャンプ道具(テント・タープ・ハンモック・コンロ・テーブル・イス等等)や屋外のアクティビティアイテム(たとえばサッカーゴールとかゴルフの的とかトランポリンだとか)が充実している昨今なので。
それらをうまく使えば様々な用途に、必要に応じて庭を切り替えることができるのです。
特に小さい子供がいるお宅では10年20年で生活スタイルは大きく変わるでしょうから。
子供が小さいうちは芝庭で、子供が巣立ったら眺めて楽しむ雑木の庭に作り替えるとか。
構造物がないからこそ。芝庭であればこそそういったことも可能です。
ちなみに我が家の芝庭は、「車輌が入れる芝庭」を目指しています。
場所により、芝生の下地を変えています。
車輌が乗っても沈まない(硬い)。でも地面に通気性があり芝が根を張ることができる。
そんな下地を数パターン試しています。
下地の材質や配合比を変えながら。
車輌が乗れる芝生の下地資材は東○レオという会社が既に開発・販売しています。
そういった商品ってやっぱりお高いんですよね。
それなら自分で開発してみようかと。
これが成功したらガッポガッポですよ。
たびたび車輌を入れていますが。
今のところ大丈夫です。
と、ここまで芝庭礼讃の内容でしたが。
お客様によく聞かれるのですが。
「芝生って手入れが大変なんでしょ?」と。
「ハイシーズン中は一週間に1度は刈らないといけない」
「刈る前に草を綺麗に抜かないといけない」
「芝庭は草が生えておらず短く刈り込まれているのが綺麗なのでそれを目指すべきだ」
「天然芝は手入れが大変だからいっそのこと人工芝にしたほうがいい」
それ。全部間違ってます。
芝生は長めの5センチで刈れば、地面に光が入りにくくなるので雑草はそこまで生えなくなります。
長めなので頻繁に刈る必要もありません。
我が家では芝刈りは年2〜3回。
草引きは年に3〜4回くらいです。いずれの作業も1〜2時間ほどで終わります。
そもそも「雑草が生えておらず短く刈り込まれた芝庭こそ綺麗」という価値観は変えたほうがいいです。
例えば庭作りの盛んなイギリス・フランスなどでは芝生の手入れといえばただ刈るだけで、草引きはほぼ必要ありません。
日本(本州)は温暖湿潤気候で植物にとってはパラダイスなので、木も草も良く茂るのです。
そんな日本でイギリスやフランスで見られるような芝庭を目指すのがそもそも間違っているんです。
少し草が生えている。
そして少しボサボサしている芝庭というのも長閑(のどか)な雰囲気で良いもんですよ。
ゆるくいきましょう。
それがニッポンの芝庭スタイルでいいんじゃないでしょうか。
人工芝なんてのはもってのほかです。
僕は危惧しています。怒っています。
良いことなんてなんにもありません。
ちょっと想像力を使えば解るはずです。
いかに人工芝を貼ってはいけないかをいつかこのブログで綴りたいと思っています。
いつか・・・
芝刈り機は
「ナイスバーディーモアデラックス」がオススメです。
芝刈り高さは「最高」にセッティングして刈ってください。
良く刈れるので爽快です。
まだいろいろ未完成。
家族の成長に伴っていじっていけば良いと思ってます。
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擁壁(ヨウヘキ)を作ってみました。
擁壁でも「杉板型枠」で作る「木目模様」がやってみたくて。
擁壁自体作るの初めてなので。
倉庫で仮組み。
本職の型枠大工さんよりも全ての工程において遠回りだったかもしれません。
擁壁の基礎工しまして。
手前のコンクリ基礎は板石を貼ってアプローチになります。
基礎の上に型枠を組んでいきます。
写真のラーチ合板は裏側です。
で、
こんな感じ。
専用の道具・資材がないものだから自分なりに工夫しました。
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僕は本が好きです。
20代前半。
造園修行時代。
独身の頃。
仕事から帰ってきて。風呂入ってテキトーに晩ご飯食べて。
21時から24時までは読書というのがルーティーンでした。
夏は扇風機だけ。
暖房はコタツだけ。
タバコをプカプカしながら読むその静かな時間がとても良くて。
また造園の仕事というのが、何のジャンルを読んでも仕事に活かせるのです。
全く関係ないような一文。描かれる情景が不思議と庭につながってくるもんです。
谷崎潤一郎。井伏鱒二。オノ・ヨーコ。アーサー・C・クラーク。ヘッセ。紫式部。司馬遼太郎。赤瀬川原平。岡本太郎。楳図かずお。みうらじゅん。いとうせいこう。ナンシー関・・・
名人と呼ばれる造園家は必ずと言っていいほど読書家です。
縁がありその会社事務所を訪れることがあると必ずあるのが書庫。
広い壁一面の本棚もしくはレールで動く本棚の列。
本棚にはやはりあらゆるジャンルの本が隙間なく詰まっています。
庭の話に及べば、
一つの庭を作る際にも広く深い知識の引き出しから繰り出されていることが分かり。
ぼくの本好きなんてまだまだだなと狼狽えたことが思い出されます。
本読まなきゃー
結婚して独立開業して。
現場仕事と事務仕事に追われ。という理由で。
タバコもやめちゃったし。
本を読む時間は激減してしまいました。
今は。
本といえば背表紙を眺めるものになってます。(汗
たくさんの背表紙が並んでいる景色が大好きです。(こんな⬇︎)
これは角川武蔵野ミュージアム。
背表紙フェチにはたまらない。
ということでリビングに作りました。本棚。
令和元年五月一日。
令和になっての初日ですよ。
僕は床下で、ホコリとダンゴムシの死骸にまみれてました。
本は重いので
「束」を立て補強していました。
で、本棚完成。
ジャングルジムかよっ。
猿山かよっ。
増改築であらわになったヒノキ柱に寄せたのでした。
背表紙が並ぶ。
いい眺めです。
眺めるだけでなく。
中身を読みたいと思います!
つづく。
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大工さんによる増改築工事が全て終わり。
・・・しかし土間はコンクリート下地のままで。
この状態で1年以上が経過してしまいました。
物置です。
日々の造園工事、お手入れ仕事に追われ。
そうなると「日曜日まで汗水流して働くのもなぁ、、、」って。
頭の中で練って、頭の中では完成しているんですが。
自分の家のことになるとめんどくさくて。(誰もお金くれないし(笑)
ついつい先延ばし。
「建築系職人あるある」ですね(汗
一念発起。
この材料を使います。
古材の板石です。
僕が大好きな庭の材料です。
京都で修行している頃から集めています。
百数十枚あったのですが全く売れないので自宅で使うことにしました。ヤケクソです。
板石貼り着工の数日前から夜な夜な方眼紙を使って模様取りを練りました・・・
板石貼り工事が始まってみれば結局全ての板石が現場でアドリブですよ。
そんなもんです。
造園工事の重要な部分は机上ではできないんです。
「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起こってるんだ!」
というのと一緒です。
板石据え付け完了。
板石の間はコンクリート洗い出しにします。
慌ただしくて生コンクリート打設中は写真撮ってるヒマはありません。
打設後。
「洗い出し」作業は姉妹に手伝ってもらいました。
父ちゃんの仕事、少しは知ってくれたかなぁ。
古材板石貼り&コンクリート洗い出し これにて完了。
古材についた傷や欠けはもちろん。付着したアスファルトもそのままです。
それがこの板石に刻まれた歴史であって。新品にはない凄みだったり侘び寂びみたいなものだったりすると思うのです。
綺麗に掃除してしまうのはもったいないです。
江之浦測候所で見た杉本博司氏の仕事に感化されました。
カーテンは友安製作所さんのビニールカーテンです。
光の具合がいい感じです。
石臼を置いて。
今度は「濡れ縁」を作ります。
屋内なので「濡れ縁」というのも変かもしれませんが、あえて「濡れ縁」と言いたい。
なぜならここは屋内だけど庭だから。ソトを感じられるナカにしたいから。
ナカとソトが曖昧な場所にしたいから。
濡れ縁 完了です。
「濡れ縁」を作ったことでリビングと土間の距離が一気に縮まりました。
こんなに広い土間なんて、スペースの無駄遣いだと思われるかもしれません。
本当にそうでしょうか。
僕も分かりません。
なので。実験です。
この土間という空間が人の生活に何かを与えてくれるのか。
それとも何も与えてはくれないのか。
身を持って時間をかけて検証していく所存です。
もう始まってます。
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ピアノを家のどこに置くかという話です。
(僕は、大人になってからピアノを始めました。
長女が年中さんからピアノを始め。それと同時に僕も始めました。
中学一年でビートルズにハマり。ビートルズを窓口にロック沼にハマり。
ロックの名曲と言われるものは片っ端から聞き漁りました。
自然な流れでギターを始め、バンドを組んでみんなで演奏する楽しさを知りました。
ギターは独学でもそこそこは、誰かに聴かせられるくらいには弾けるようになります。
でもピアノは・・・
ロックでもピアノがいい感じの曲がたくさんあって。ポールマッカートニー、ビリージョエル、スティービーワンダー、ベンフォールズ。ここに名前をタイピングするだけで未だにドキドキする。
やっぱりいつかはピアノを弾けるようになりたい。
習いたいとタイミングを見計らっていました。
長女と同じタイミングで習い始めて早7年目くらいです。
長女にはすっかり追い抜かれ差をつけられ(次女にはまだ勝っていると思っている)。
でも楽しんで弾いています。
弾いているのはロックではなくクラッシックです。
ピアノを通じて覚醒してしまいました。
今はクラッシック沼にハマっています。
ショパンやベートーベン。ラフマニノフ。
揺さぶられました。ロックでは知り得なかった、えもいわれぬ感動がありました。
クラッシックって、ロックよりもロックしているんだと気づきました。
大人になってからのピアノなので上達が遅く苦痛しかありませんが、もう少ししたら楽しく弾けるようになれそうなので頑張っています。)
前置きが長くなりました。
ピアノは埼玉県越生町の昭和楽器さんで購入したカワイの中古アップライトピアノを弾いていました。
音はあまりですが見た目がカッコよくて。
眺めていると弾きたい気持ちにさせてくれるピアノです。
増改築の計画が始まった頃のある日。グランドピアノを頂ける話が降って湧き。
早速、現場の帰りに寄って見てきましたよ。
ヤマハ G2D というモデルです。
僕が生まれる10年以上前のピアノです。
調律の頻度は少なかったようですがリビングに置いてあったので致命的な痛みはありませんでした。
腐っても鯛。古くったってグランドピアノです。
ポーンと一つ鍵盤押しただけでアップライトよりも遥かに豊かな音がしました。
グランドピアノをタダでいただけるなんて。本当に僕は「もってる」なと。
運搬は田中ピアノ運送さん。
300キロあるピアノ。トラックからクレーンで下ろした後は人力です。
造園屋の僕も重たい木や石を担ぐけど。ピアノは繊細なので大変ですね。
我が家にグランドピアノがやってきた!
一階にあったアップライトピアノは2階の子供部屋へ。
高さ低め。カクカクした端部の仕上げ。やっぱりかっこいいピアノです。
家に2台ピアノがあるなんて、、、
でも手放すのは考えられませんでした。
子供が思春期になれば、親の前で弾きたくない日もあるだろうから。自分のために弾きたい日が来るだろうから。
なので子供部屋にもあった方がいいんです絶対。
と自分に言い聞かせ。
グランドピアノの向きが逆なのは「薪ストーブ=煙突の位置」との関係でこうなりました。
「薪ストーブ=煙突の位置」はご近所の家の配置を配慮して決定しています。
増改築&リノベーションから数年後。
まさか自宅でホームコンサートを開く日が来るなんて。
人生どうなるか分かりません。
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何に使われていたかは謎ですが、古材の御影石です。
大きめの面取りと「欠け」が良い感じ。
土間に据え付けました。
これは薪ストーブの台石になりました。
初火入れのとき。
薪ストーブは「スキャンサーム」です。
なぜこれを選んだかというと理由は単純で。
薪ストーブ買うなら家の近所の店の方が何かあった時にいいよね。ということでウェックさんへ相談しに行きました。
そのウェックさんのゴリ推しがスキャンサームだったのです。
薪ストーブといえば「バーモントキャスティングス(?)」や「ダッチウェスト(?)」など鋳物でどっしりとした、無骨で渋くてクラッシックなストーブをイメージしていましたので初めてスキャンサームを見た感想は「テレビですか・・・?」という感じでした。
スキャンサームでもいくつもモデルがあり。
特に「ターン」と、
「シェーカー」というモデルで迷いましたが。
結局シンプルにスタンダードな「エレメンツ603フロント」にしました。
このスキャンサーム。少し前は「薪ストーブ界のスマホ」と形容し宣伝されていました。
従来の鋳物の、クラッシックな薪ストーブに対して全く新しい切り口で設計された革命的な薪ストーブ。ということらしいです。
その特徴としてよく説明される謳い文句は、
?「点火後10分で暖かくなる」
?「燃焼効率が良いため薪の減りが遅い」
?「煙突から出る煙の量が少ない」
?「大画面なので迫力の炎を楽しむことができる」
?「世界的な一流デザイナーによるデザイン。薪ストーブながら多くの賞を受けている」
?「煙が逆流しにくいので高気密住宅でも使用可能」
?「熱の放出が主にガラス面のみなので炉壁が必要ない」
?「部品が少ないのでメンテナンスがラク」
・・・これが全て本当ならまさに「薪ストーブ界のスマホ」。革命ですよね。
このブログを書いている時点で我が家では使い始めて5シーズン目になります。
実際はどうなのか分かってきたこともあるのでレポートしたいと思います。
ちなみに僕は造園屋なので薪に困ることはなく。シーズン中に焚かない日はないくらいの頻度で焚いています。
?「点火後10分で暖かくなる」
これは微妙です。確かに10分で画面(扉)はほんのり暖かくなります。
ほんのりなので手をかざして、手の表面がじわっと暖かくなる程度です。
薪ストーブって画面だけでなく本体が熱くなってやっとパワーを発揮します。
ガラス面に近づくと顔がパリパリになりそうな。いかにも遠赤外線を照射していそうな。
そうなってようやっと部屋が暖まり始めます。
我が家のスキャンサームが鎮座している土間+リビングはおおよそ14坪。
暖まり始めるまで1時間はかかります。最初に入れた太い薪がオキに変わる頃です。
点火後、画面がほんのり暖かくなったって、ずっと薪ストーブに張り付いてもいられないですから(他にもやることがある)、その暖かさって売りにするほどでもないのかなと思います。
?「燃焼効率が良いため薪の減りが遅い」
これもどうなのでしょう。
スキャンサームが僕にとって初めての薪ストーブなので比較することはできないのですが。
お客様にも薪ストーブユーザーさんが多数いらっしゃって。皆さんクラッシックな薪ストーブをお使いで。
聞くと丸1日炊くような日で大体ネコ(一輪車)山盛り一台分使うとのことでした。
スキャンサームもだいたいそれくらいは使うんですけど。
我が家では毎日焚きますが、焚き始めは主に夕方以降です。
そのペースでワンシーズンほぼ毎日焚いて。
自宅の片隅に鋼材で作った3段の薪棚です。ここに満タンの薪全てを使い切ります。
なかなかの消費量です・・・
これが多いのか少ないのか。
温める空間の広さや薪ストーブ本体の大きさ、薪の樹種、乾き具合、薪を焚べるタイミングとか。
薪の消費量って正確に比較しようにも難しいのではないでしょうか。
?「煙突から出る煙の量が少ない」
これも前項と同じように比較が難しいです。
時々焚いている最中に屋外に出て煙突チェックをします。
焚き付けから1時間以内くらいと薪を焚べた直後のタイミングはどうしても煙が出ます。
モクモクまではいかずフワッ、フワッという具合です。
そのタイミング以外は目視では確認できないくらいの煙の量です。
離れると匂いは少しします。不快ではないくらいです。主観です。
人によっては不快に感じるかもしれません。都会の住宅密集地ではクレームを言う人がいるかもしれません。
我が家の立地は、周りの家でも普段から野焼きや焚き火している方がいるような田舎なので。良いですよ〜
?「大画面なので迫力の炎を楽しむことができる」
これは確かです。
見ての通りの大画面なので炎がよく見えます。迫力あります。楽しいです。
まるで家の中で焚き火をしているような。
炎を眺め、炎の世話をしながら芋焼酎のロックグラスを傾ける(写真はおちょこですね)。
全てをリセットできる時間です。毎晩できてしまう喜び。
これこそスキャンサーム最大の長所で推しポイントです。
?「世界的な一流デザイナーによるデザイン。薪ストーブながら多くの賞を受けている」
これも見ての通りでこれ以上削ぎ落とす要素がないくらいシンプルで洗練されたデザインです。
でも人には好みがありますから。クラッシックな薪ストーブの雰囲気が好きだという方には受け入れられないかもしれません。
ちなみに「2001年宇宙の旅」のポスターを部屋に飾ってしまうくらい好きな僕にとっては「モノリス」みたいで気に入っています。
シンプルなので、歳を重ねて、好みやスタイルが変わっても飽きがくることはなさそうです。
シンプルだからこそあらゆるスタイルの家や家具に、ほどほどには合う気がします。
?「煙が逆流しにくいので高気密住宅でも使用可能」
機密性が高く、室内の空気に依存せず燃焼する構造なので、扉を閉めて燃焼しているときは煙の逆流・漏れは全くありません。
しかし、扉の開閉時に漏れます。
例えばオキの状態になっていて、開閉&薪を焚べる最適なタイミングだとしても、ムダのない素早い動きで薪を焚べてもたびたび煙が漏れます。
よくよく中の構造を観察すると、仕方がないように思います。
写真を見てもらえれば分かっていだだけるでしょうか。
煙を吸い込む口が手前上部にあり、そのすぐ脇で大画面の扉がガバッと開くものですから。漏れて当然ですよね(?)。
僕のお客さまのクラッシックな薪ストーブは、薪を焚べる時に全く煙が漏れないのを見させてもらったことがあり、衝撃的でした。
炎を綺麗に見せるためにこの構造になったのでしょうが、
もうちょっとこう、どうにかできないのでしょうか。
ということでスキャンサーム設置後に我が家では上部に換気扇を付けました。
煙が漏れた時に、素早く扉を閉め換気扇をONすればみるみる排気してくれます。この換気扇があることで堂々と扉を開けられます。(というのもへんな話ですね)
?「熱の放出が主にガラス面のみなので炉壁が必要ない」
その通りで炉壁の必要はありません。
我が家は背後にラーチ合板そのままで何ともありません。
家具のように扱える薪ストーブ。凄いです。
?部品が少ないのでメンテナンスがラク
これもその通りです。
スキャンサーム購入後、メンテナンス講習会がウェックさんでありました。
その講習会では同日にスキャンサーム購入組と、クラッシック薪ストーブ購入組とで別れて講習を受けたのですが、
スキャンサーム購入組の講習時間の方がはるかに短く終わりました。
早く終わったのでクラッシック薪ストーブ組のメンテナンス講習会を脇で聞いていたのですが、シーズンが終わった後のメンテナンスの工程は多く大変そうでした。
スキャンサームは画面をクリーナーで拭いて、灰を片付けてダンパーを「閉」にして完了です。
あと扉周りのパッキン(ロープみたいなやつ)が痛んだら交換するらしいですが、5シーズン目で今のところはまだ大丈夫そうです。
煙突はクラッシック薪ストーブであろうがスキャンサームであろうが年一回の掃除が必須です。
僕は造園屋なので自分でやってしまいます。
煙突掃除直後は燃えが良くなり快感です。
それと、これは使ってみないと分からないことですが、薪を焚べるときの扉の開閉時に灰や細かい炭がそこそこ落ちます。
我が家は土間に設置しているので何とも思いませんが。
床や畳の上に設置しているお宅などは鉄板を敷いてはいるものの面積があまり広くないですし、床とフラットなのでこまめな掃除が必要です。
薪を小割りにした「焚き付け」を作る際も木クズが飛び散るものですが、それも土間でやってしまいます。点火前に必要な分を作ります。
薪ストーブを設置するなら土間が便利だと心底思います。
以上、スキャンサームの特徴(長所短所)でした。
で、結局のところスキャンサームにして良かったのか、それとも・・・
というところですが、
僕は良かったと思います。
やはり大画面。家の中で焚き火している感覚。それが全てです。短所なんて気にならなくなります。目をつむれるんです。
他のブランドでも大画面デザインの薪ストーブはあります、なおかつ煙の漏れが少ない構造のものもあるのかもしれません。
このスキャンサームとの付き合いも5シーズン目です。なんだか最近愛着が湧いてきて、短所すら可愛く見えてきている自分がいます。
完璧じゃないから。不便だからこそ豊かなのだと。楽しいのだと。
そもそも薪ストーブに求めていたのはそこなんじゃないかと。
乗り換えるなんて選択肢はありません。ずっと先の、年老いた僕が薪を焚べている薪ストーブはスキャンサーム。という想像しかできません。
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ブログ「造園屋の増改築」シリーズの続きです。
建前の次の段階。
外壁と屋根の下地が貼られました。
外壁は杉板の「鎧貼り」になるのですが。
杉板の仕上げについて。この3種類で悩みました。
上:ナチュラル。といっても透明の防腐剤を塗る。
中:焦がして木目を浮き上がらせる。
下:焼杉(焼き過ぎ)
少し悩みましたがナチュラルにしました。
経年変化でシルバーになっていくのが良いかなと。
防腐剤は吉田製油の「スーパーウッドステイン」。色は「クリア」です。
夜な夜な自分で塗りました。
この時12月25日の深夜。
凍えた両手に息を吹きかけて♪
少しでも金額を抑えるために自分でできることは自分で。
「鎧貼り」施工中。
下の職人さんが加工して、上の職人さんが採寸して貼り付ける。
良いコンビネーションでした。
扉のレール周りは自分で。
モルタル仕上げでは味気ないので「コンクリート洗い出し」でやってみました。
綺麗過ぎない。ムラのある感じが造園屋らしくて僕は好きです。(自己肯定力)
この仕上げにしたのも後々施工する土間の仕上げに繋がってきます。
増築一階部分は土間なのです。
扉が入ります。
フィックス窓(はめ殺し窓)とガラスの扉が並ぶデザイン。道路側は全面ガラスです。
特に夜、道路から家の中が丸見えになってしまいます。(昼は割と見えません。光の反射の作用でしょうか。)
ということで内側にはカーテンの代わりに木戸を付けられるようになっています。
夜になったらはめて、
朝になったら外して。という想定でしたが。
一枚一枚が地味に重く。それを毎朝毎晩、延々に続くと非常にしんどい。
そのうち木戸は人が通れる隙間を残してはめたままになってしまいました。
断熱性がありそこは良かったですけどね。
ということで、後々ですがビニールカーテンにしました。
土間に植物を置きたかったので。目隠ししつつ光を取り込めること。
土間ですから、オシャレすぎないというのも僕にとっては大事で。
「株式会社 友安製作所」さんのカーテンを取り付けました。
スタッフさんが来て採寸してくれて。カーテンの丈の長さや金具の数、レールの長さをはじき出してくれました。
ホームページ掲載の採寸の仕方を見ても僕にとっては難解で。助かりました。
お陰さまで寸法はバッチリです。
断熱性もあり暖房も冷房も効きが良く。ビニールカーテン良いですよ。
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2014年。
中古の住宅を購入しました。(もちろんローンです汗)
2003年築の家なので、当時築11年でした。
地元の大工さんによる注文住宅で、オシャレではないけれど堅実に造ってある印象を受けました。
敷地の奥は竹林・雑木林で。その先には清流「高麗川」が流れています。
敷地面積135坪。
造園屋の家にはもってこいの広さです。
ご存知の方も多いと思います。
「空き家」問題。
日本では空き家が激増しているんです。
しばらく前から取り沙汰されていたこと。
少子高齢化・核家族化・一極集中化・固定資産税・・・空き家が増える原因は様々のようですが。
解決策は様々打ち出されているものの悪化の一途らしく。
2033年には住宅の3件に1件が空き家になってしまうそうです。
「向こう三件両隣」の1件以上が空き家ということです。
そんなニュースや記事に触れ。
「じゃあ。家建てなくてもいいじゃん。」
僕はシンプルにそう思いました。
家を建てるのも壊すのもたくさんのエネルギーが必要ですし、大量の産業廃棄物(ゴミ)も発生します。
中古の住宅に住めばいいじゃん。
そして必要最低限にリノベーション。カスタムして。
アイディア次第では注文住宅みたいに自分達らしく、楽しく暮らせるのではないか。
・・・ということを身をもって実験・実証してみよう思ったのです。
住み始めて3年が経ってしまいましが・・・
いよいよ増改築工事が始まりました。
できることは自分でやります。
増築部分と重複し不要となる犬走りは自分で壊す・・・ところが全然ハツれません。
なんとベタ基礎と一体の犬走り。というか犬走りだと思っていた部分はベタ基礎の一部だったということが判明。
無駄にいい仕事してますね〜
基礎工事。
基礎は東和工業さんにお願いしました。
基礎の立ち上がりには杉板模様。
これ。やってみたかったやつ。
目立たなくなってしまう部分ですが。
東和工業さんありがとうございます。
いよいよ建前。
建前完了。
次の工程は内装と外壁工事です。
既存の外壁は残しつつ工事は進められました。僕らは変わらず生活することができました。
ちなみに増改築部分の図面。
設計・施工は小峰工務店(Life Design)さんによるものです。
親方は一級建築士でありながら自らもニッカポッカ穿いてバリバリ現場でも働くスタイルの大工さん。
現場の末端まで熟知していて、設計もできて。。。最強です。
なぜこういったプランになったのかはまた改めて。
お世話になった壁には落書きをしてもいいよって。
こんなこと。なかなかできないですからね〜
描いてるね〜w
ツッコミどころが多すぎて何も言えないw
続く・・・
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30年以上前の、山を造成してできた住宅街です。
その一角にあるお宅の庭はもちろん斜面なのですが、「土留め」と「階段」と「手すり」を設置する工事をさせていただきました。
搬入経路は幅60センチ。
重機も、資材も大きいものは入れることができない。という制約がありました。
仕上がりはこんな感じです。
コンクリート平板と単菅パイプ。
資材はたったそれだけです。
図らずも無機質でクールなカッコ良さ。
工事の最初に植木の強剪定・草刈りをしたので今は無機質が過ぎるかもしれませんが、
春になり木々の葉・下草が茂り始めれば無機質と緑の程良いバランス、絡み具合が良い感じになりそうです。
手すりはこんな感じです。
階段・スロープ・立ち止まって景色を眺めるポイント。草木を愛でるポイント。
既存の樹木などを活かしながら。歩くのが楽しくなるようにコースを設定しました。
階段。
斜面の庭は平庭に比べ景色の変化をつけやすいです。
道と階段を作ってしまえば「良い庭」の出来上がりです。
ただまともに、土木・建築屋さんが土留や階段を施工するととんでもなく、果てしなくお金がかかってしまうものです。
今回のコンクリート平板と単菅パイプのみで作る方法はコストパフォーマンス高いです。
これは施工前の様子です。
今回の造園工事で歩きやすくなり、メンテナンスもしやすくなりました。
山を造成し斜面に造られた住宅街は日本全国の都市近郊にあると思います。
そういった住宅に付随する斜面の庭のほとんどは上手く活かしきれていないようです。
高齢化が進み、足腰が弱り、管理ができずに草ボウボウになっているパターンが多いです。
こちらの住宅街の家々を眺めていても分かります。
今回導入し、活躍した道具です。「単菅打込アダプター」。
大ハンマーで打ち込んでもいいのですが、なにせ数が数なので。
新しく「根切り」も買いました。
使い始めてたった半日で先が潰れてしまいぴえんでしたが。
十数年使っている土佐の根切り(右側)の素晴らしさを再確認いたしました。
やはり良い仕事は良い道具から。ですね。
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縁があり土地を借りることになりまして。
見ての通りの荒れ放題。
ヒノキを植えたものの約40年間放置していたとのことです。
一見どうしようもない土地ですが。
僕は見つけてしまいました。
敷地内の一角から水が湧き。
小川が流れていることを。
敷地内を何度も曲がりくねりやがては高麗川へ注いでいます。
ささやかではあるけども表情豊かな流れ。
少なくとも約40年間人の手が入ることがなく、自然の侵食でしか変化のなかった流れ。
限りなく自然に近い造形。
そう思うと小石一つ動かすこともはばかれます。
捨てられたタイヤも40年間この川と共にあったのかと思うと新参者のボクにはこれを動かす権利などないような気がして。
これはこれで今後景色として面白くなってくる気もして。とりあえずこのままそっとしておくことにしました。
小川の脇には穏やかな平地もあります。
もう少し整備して。
テントを張り。水の音を聞きながら眠る。
いいなぁー。憧れのプライベートキャンプ場ですよ。
現在も他の場所で土地を借りていて、作業場兼材料置き場として使わせていただいているのですが。
昨年、そちらの貸主さんからそろそろ返してもらえないかとの話があり。
そんな矢先に出会ったこの土地でした。
即決で借りることにいたしました。
何はともあれ車輌を入れられるようにしなければ何もできません。
まずは下刈りから。
そして伐採。(タイムラプスでどうぞ)
過密林なのでチルホールで無理やり引っ張り倒しました。
伐採は割と早いです。片付けに時間がかかります。
造園屋ですからね。材料置き場とはいえ景色も大切です。
開墾といっても全伐採ではなく最低限の木しか伐りません。
そもそも全伐採すれば林床に日が入るようになり草が生え管理も大変です。
伐採したヒノキは玉切りにして。
ヒマな時に割って「焚き付け」にでもしようと思います。
太めの丸太は縦挽きの切り目を入れてスウェーデントーチにでもしようかなと。
(乾かしたらメルカリにて格安で販売しようと思いますので乞うご期待です。)
ユンボ投入。
抜根。
抜根&整地。1日でここまできました。
道らしくなってきました。
使い勝手を考えて出入り口2つのロータリーにしました。
1月から始めた開墾作業。現場仕事の合間に進めているので遅々として進まず。
季節はやがて春になり。
すると地下水位が高くなったのか地面の一部が急にぬかるみ始め。
できるだけ他所から資材を入れずに道を完成させたかったのですが。
仕方なくグリ石投入しました。
砕石も入れ。
仕上げにバークチップ入れました。
バッチリです。
タイヤを汚すことなく出入りできます。
縁がありタダで頂いてしまいました。
ダイドードリンコの「箱」です。
物置にします。
扉を開ければ山口智子姉さん。
一瞬タイムスリップしてしまいましたよ。
ロンバケとか良かったよねー
材料を引っ越し始めました。
まだまだありますがボチボチやっています。
天然の小川に石橋をかけてみる。
たったそれだけで「庭」なってしまうんですね〜。
根っこです。
長年風雨に晒されジン・シャリ状になっています。
かっこいいでしょ。
いつか庭で使ってみたいと蒐集しています。
春。小川にはトウキョウサンショウウオの卵が。
水が綺麗な証拠です。
もしかすると夏、ホタルが飛ぶかも。
この森、自宅から5分なので見に行ってみよう。
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子供というのは時々ヘンなことを聞いてくるもので。
小学1年生の次女が、「お父ちゃんは将来何になりたいの?」なんて、たびたび聞いてくることがあって。
もうすぐ40になるこの僕にですよ。
将来もなにも。
既に僕は造園屋だし経歴20年になるし今さら・・・。
次女にそんなことを聞かれた時、僕は決まって
「将来はロックンローラーになりたい。」と答えるのが常で。真顔で。
すると次女は「えー!お父ちゃん変なこと言って!!」と爆笑します。
僕としては半分は冗談。でも半分は本気だったりします。
中学生になる直前の春休みにビートルズに出会い。ハマり。
そしてビートルズを入口に様々なロックなアーティストを知り聴いてきました。
(当時深夜放送していた伝説の番組「シャウト!金髪先生」はテレビの前で正座して観ていました)
CDを買うお金はなかったので地元の図書館へ通い。本ではなくロックなCDを借りてきてはMDに落として聴いていました。
必然的にギターも弾き始め。
ジミー・ペイジ。
リッチー・ブラックモア。
ジミヘン。
スラッシュ。
夜な夜なベッドの上でギターを弾いていました。
いつかは僕もロックンローラーになりたい。
いつかなれるものだと思い込んでいた時期もありました。
(懐かしい写真出てきたw。高2くらいかな。)
もちろん自分の才能のなさに気づき諦めましたが。
ロックンロール。
メロディに。リズムに。ビートに酔いしれていた。
彼らの生き様に憧れていた。
ロックに心も体も支配されていたティーンズだった。
あれから20年以上が経ち。
腹が出て白髪も目立ち始め。僕を取り巻く環境もずいぶん変わりましたが、
恥ずかしながら気分はさほど変わっていません。
僕は今もロックに憧れ続けているんです。
しかし気づいてしまいました。
僕は既に夢を叶えているのではないかと。
なぜなら庭はロックだからです。
ということは庭仕事をする造園屋はロックンローラーだからです。
造園屋歴20年。やればやるほど。造園屋ほどロックな仕事はないのではないかと感じています。
だから続けて来れたんだと思います。
造園屋の仕事。庭仕事というのは、
お客様の思いを形にすること。
自分が感動した景色・事象・営みを限られた空間に再構成し組み立てること。時に抽象的に、時に具象的に。
景色の見た目だけの良し悪しだけではなく。生活の場としての機能を持たせながら構成すること。
伝統的な手法を身につけて、古典的技術を現代に合うようにアレンジすること。できるだけ奇をてらわないように。
庭の長い歴史の中で培われた文脈を理解しつつ、その中で遊ぶこと。
ロックと共通点があり過ぎます。
夢想国師なんて完全にロックンローラーです。
例えば天龍寺曹源池庭園の滝石組。
かつて亀山御殿があったその場所の過去の歴史と風景を尊重しつつ、
宮廷の優雅な景色の中に「禅の庭」をねじ込む。
(↑は立ち入り禁止区域です。僕は縁があり入らせてもらえましたm(_ _)m)
違和感と調和。
滝石組みを目の当たりにすると決して教科書で読んだ知識だけでは脳内処理できない。
しかしハイセンスな、ほど良くぶっ飛んだ石の扱いに思わずロック!と叫ばずにはいられません。
円通寺。
お堂の柱と庭の杉木立を連続させています。
外と内がゆるく繋がっていく仕掛け。外と内の曖昧な間合い。
その先に比叡山を据える。
比叡山をも庭の構造物にしてしまうという。これが本当の「借景」という大胆な手法です。
ロックだぜ。
無隣庵。
水深を浅くし、多数のゴロ太石を配置している。
流れの、せせらぎの音がより大きく聞こえるように工夫されています。
東福寺本坊庭園。
現場にあった古材の石を巧みに再利用したとのことです。
市松模様。永遠のモダン。
重森三玲 作庭。
毛越寺。
かつての貴族が作ろうとしたシャングリラ。
夢の跡。
MIHO MUSEUM
これは現代のシャングリラ。
イオ・ミン・ペイ!
銀閣寺の銀砂段と向月台。
(義理の兄です。fromオーストラリア)
あの岡本太郎が著書「日本の伝統」の中で大絶賛した造形。
「これは現代アーティストの新作のインスタレーション作品です。」って言っても信じる人多いと思いますよ。
紙屋川庭園。
(現在はアマン京都になっています。この写真はそれ以前のものです。拝観禁止でしたがここも縁があり入らせてもらえましたm(_ _)m。)
圧倒的な石の扱い。ラピュタ感。遺跡感が凄い。
光と影。時間の流れと刹那。
ジョニ・ミッチェル。
月心寺。
急斜面を大量の石で畳み込んだ土留め。
力技です。
キングクリムゾンだな。
平城京左京三条二坊宮跡庭園。
日本最古の作庭指南書「作庭記」に書かれている石組み手法を体現する石組み。
その石の扱い方って現代でもあまり変わりません。
やっぱりこの扱い方が一番しっくりきます。
金沢21世紀美術館。
パトリックブランの壁面緑化。
垂直方向への「庭」です。庭の可能性をさらに広げてくれた技術です。(あーやってみたい)
修学院離宮。
隣雲亭の軒内土間。「一二三石」と呼ばれるアクセント。
ポップだしオシャレ。
青山のアパレルショップの店内でも採用できそうなくらい。
桂離宮。
これもオシャレ。
カンディンスキーみたい。
挙げればキリがありません。
こんなにも多種多様な表現方法、アイディアがあるものなのか。
庭って凄いな。人間て凄いな。
庭は庭が生まれた奈良時代(起源はもっと古いです)から今日までロックし続けています。
そもそも。
ロックとは何でしょう。
ロックとは・・・口で説明することは難しいしその行為はあまりロックじゃありませんが。。。
ロックといえば、
激しいビート。大音量。ギターの歪んだ音。
労働階級。ジーンズ。酒。タバコ。ドラッグ。反社会的。
・・・などが連想されるかもしれません。
しかしそれはスタイルの話であって。
そんなロックのスタイルはレニー・クラヴィッツが登場した時に死んだわけで。
クイーンの「We will rock You」の日本語訳を見るとこう書かれています。
「俺たちがお前を揺さぶってやるぜ」
簡単に言ってしまえばそういうことなのかもしれません。
僕はロックに揺さぶられてきたのだと。
庭に揺さぶられてきたのだと。
今、僕は庭をつくる側にいます。
造園工事で。剪定で。
庭を通じてお客様を揺さぶりたいと本気で考えていたりします。
庭って凄いんだぜ。面白いんだぜ。ロックなんだぜ。感動するんだぜ。
揺さぶられるんだぜ。
それを是非ともたくさんの人に分かってほしい。
庭のファンを増やしたい。
僕ら造園屋がつまらない仕事をしていればいずれ庭の仕事はなくなってしまうでしょう。
結果、連綿と紡がれてきた日本の庭の文化が絶えてしまうでしょう。
庭の文化が絶えてしまうということは日本人オリジナルの自然観を変えてしまうということです。
世界的に見ても特異で豊かな自然が身近にある生活。その自然観が変わるということは日本人の考え方。暮らし方。性格が変わってしまうということです。
益々つまらない国になってしまいますよ。
ということで人を揺さぶる。ロックな庭を目指さないといけないのです。先人がそうしてきたように。
生涯でそういった庭が一つ作れれば御の字かなぁ。
最近近づいてきている気がしています。
やっと「良い庭」が作れるようになってきた気がする。
あとちょっとだと思う。
なんて。
ずいぶん前から同じことを言っている気がする。
日々、少しづつスキルアップしているということで(笑)
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庭の世界で仕事する職人の間には、科学的根拠のない言い伝え、迷信じみた話がいくつもあるもので。
そういった話は、仕事の合間の休憩時間のネタとして共有されるのですが。
その一つに、
「モミジの剪定は枝を折った方が良い」
というのがあります。
モミジの場合、剪定鋏でキレイにスパッと切った切り口の方が傷みやすい。折った方が癒合が早いといいます。
キレイな切り口から伸びる枝は暴れやすい。折った方がその後の枝の伸び方が穏やかになるともいいます。
科学的根拠はありません。
剪定方法が書かれている教科書なんかには、決まって「剪定に使う剪定鋏はよく切れるものを使用すること。」「切り口はキレイにスパッと切れている方が癒合が早い。」と書かれています。
それが一般的ですし常識とされています。
人間が怪我をした際、グシャッと潰れた傷よりもスパッと切れた傷の方が早く治ります。
それと同じということなのでしょう。
なのに。なぜそんな「折った方が良い」説を唱える職人がいるのか。
たぶん、山の中に自生しているモミジの枝が雪や風により折れて。
折れ・裂けた跡から伸びる枝が良い感じだったのでしょう。
僕もその様子を山中で何度も目撃したことがあります。
山に自生するモミジの姿を見て、あんな風に剪定できたらどんなに良いだろうと思うのです。
モミジ。特にイロハモミジ・ヤマモミジの剪定は数ある庭木の中でも大変難しいです。
成長が早く枝が暴れやすいので。
限られた敷地の中で大きさを維持しつつ、風が吹いたらそよぐ枝の柔らかさも残しつつ(モミジは「楓」。木偏に風と書きますからね。)
・・・という矛盾した2つのミッションを達成しなければいけないので頭を悩ませるのです。
ちなみに大きくしたくないからといって無計画に剪定するとモミジはこうなります。(僕が剪定したんじゃないですよ)
これではモミジを植えた意味がなくなってしまっていますよね。
一度こうなってしまうと再び穏やかな枝を取り戻すのはもうほとんどムリです。
一方こちらは穏やかな枝の伸び方をしているモミジ。これでも剪定前の写真です。
このようなモミジならラクに剪定できますし。維持費も少なく済みます。
何より見た目がモミジっぽくて良いです。こういうモミジを僕は目指しているんです。
枝を折る剪定手法。
実際のところはどうなんでしょう。
何はともあれ僕も一応職人です。プロです。
迷信を鵜呑みにするわけにはいきません。
自分で試し確認しなければいけないのです。
・・・そして実験を始めて5年目。結果が見えてきました。
やや見た目の堅さはあるものの、制御できないほどに暴れる枝は少なくなりました。
ジワジワと細かく伸びる優しい枝が増えてきました。
折った部分からの痛み・腐れもありません。
「折る」意外にも大透かしの方法、剪定時季、タイミングなど他のアイディアも同時に試みてはいますが。
「折る」ことに効果を感じています。
「折る」をこれからも続けて行こうと思っているのですが。
いかんせんお客様の大事な庭木を目の前でバキバキ折るのは印象が良くありません。
旨を説明してからバキバキさせていただくものの。ずっと気が引けていました。
そこでキリバシです。
3か月前、初めてキリバシを購入したのです。
(銘は入っていませんが「平行作」のキリバシです。実はアレやコレのキリバシは平行さんのOEMだったりします。多少無理して使っても欠ける気がしない。良いキリバシだと思います。)
キリバシの切り口は適度に荒れるんです。鋏で切ってはいるものの「折る」に近い状態の切り口になります。
例えば。(モミジではなくモッコクですが)
細い枝でもこの通りです。
剪定鋏で切るとこのようにキレイにスパッと切れます。
キリバシに限らず木鋏(蕨手・和鋏)も同様の切り口です。
ただキリバシの方がより太い枝を切断することができるのでモミジの剪定には打って付けです。
キリバシの方が持ち手が長く太いのでテコの原理を効かしやすいのでしょう。
そういえば。東京の先輩庭師さんが「剪定鋏よりも木鋏・キリバシで切った方が枝は伸びにくい。切り口が汚いから。」といった話をしていたことを思い出しました。
モミジに限らず庭木全般に共通する事なのかもしれません。
昔の植木職人は現代の職人よりもはるかに剪定が上手かったと。植木の伸びをコントロールしていたと伝え聞いています。
その理由の一つに昔は「剪定鋏」がまだ日本に入ってきておらず、剪定といえば「木鋏・キリバシ・鋸」のみで行われていたから?
僕が勝手に立てた仮説ですが。
ということでこれからはモミジに限らず庭木全般で。大きくしたくない庭木の剪定はキリバシを使っていこうと思います。
キリバシを使うことで庭木の伸びは穏やかになるのか。新たな実験の始まりです。
まぁー長々と書きましたが。
腰にキリバシぶら下げてる職人って玄人っぽくてカッコイイ。
キリバシを使う理由。
実はそれが一番の理由だったりします(笑)
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昨年お庭を作らせていただきました。
いちご狩り農園「じょうもんふぁーむ」様よりフェンスのご依頼でした。
季節は冬。
作らせていただいたお庭は「ウィンターガーデン」というコンセプトらしく良い感じの「枯れ」具合になっていました。
すっかり冬の姿になったイトススキ、ルドベキア、カレックス。
アンティーク調でかわいい。
冬の真っ青な空に映えます。
足元の、あえて掃除しないで残した落ち葉もステキです。
フェンスの材料には知り合いの大工さんがストックしていた古材を使います。
とある観光地の橋に使われていた洋材らしいです。
こちらも「枯れ」具合がステキです。
これは昔の足場で使われた丸太です。
こんな感じでチェーンソーで不揃いに、杭っぽく加工しました。
柱を立てて・・・
こんな感じ。
裏はこんな。
遊び心たっぷりに。ランダムに。なるべく変化が多いように。
ガチャガチャさせて。
年月が経ちぶっ壊れてきている感じで。
ディズニーランドっぽく・・・
完成。
ファンキーですね。
お施主様には満足していただきました。
後日、家族でいちご狩りに訪れてみました。
パワーアップしている!
お施主様の趣味が爆発してる。
いちご狩り農園さんの中でもこちらのハウスは広いです。
しかもエリアを区切ることなく自由に行き来し摘むことができるんです。
いちごだけでお腹いっぱいになるシアワセ。
次の週末はいちご狩りなんでいかがでしょう(^^)
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今年で10回目らしいです。そして今日の「所沢市民文化センターミューズ」での公演はツアーの初日。
私事ですが。2年前のピアノの発表会でベートーベン「悲愴 第二楽章」を弾くことになった時、youtubeですが何度も演奏を観せてもらっていました。
緻密な音作り。どこまでも繊細な弱音の鳴り。
僕の薄汚れた心が浄化されていくよう、、、
一体どうやったらこんな音出せるのだろうと不思議でしょうがなくて。目をこらして画面に映る指先を見つめて。
でも全く理解できなくて。1ミリも近づけるわけもなくて。
空間に響く音に耳を傾け演奏するその姿はピアノの神か聖人か。
その演奏が辻井伸行君自身なのだと思っていました。
しかし今日、生演奏を初めて聴いて。
僕は辻井伸行君の「乱暴力」を垣間見てしまいましたよ。
ピアノの神。聖人。そのイメージは今日崩れ去りました。良い意味で。
良い意味での俗っぽさがあった。
辻井伸行君もまた生身の人間であることに気付いてしまった。
その喜び!
荒ぶる魂に触れ、揺さぶられちまいました!
感動した!
辻井伸行君は幼い頃、母親に「風の色って何色?」と訪ねたことがあるそうです。
「色」を見たことがないですから、逆にあらゆるものに色があると思っているのかもしれない。それは音に対しても同じかもしれない。
音楽の中に色を見ているのかもしれない。
「音色」という単語があります。色であるなら「色温度」も当然あるはず。
音を色に見立てると音楽がより一層分かりやすくなる気がする。
「音色」。・・・この単語を考えた人はセンスが良い。
10本の指で奏でる音はパレットの上で混ざり合う絵の具。
音楽はキャンバスに描かれる絵画と同じだと思った。
今日の演奏を聴いていて、辻井伸行君は色を意識して弾いていると確信した。
ピアノの音は冷たい。色温度が低い。そう言う人がいる。僕もそう思う。やはりバイオリンやチェロなんかと比べると。
しかし辻井伸行君の弾いたリストの「リゴレット・パワフレーズ」。
あれは明るいオレンジ色から赤色のグラデーションだった。
辻井伸行君は赤がどんな色か知らないはず。
それなのに。不思議なことですが。僕は音に色を見た。
情熱的な色だった。熱かった。
新型コロナウィルス感染拡大・緊急事態宣言発令中の今、コンサート、リサイタル、あらゆるエンターテイメントが中止・延期となる中、予定通り開催に踏み切ったのは苦渋の決断があったかもしれません。
アンコールの時の、ホール全体が鳴り轟く拍手。
今まで行ったコンサート、リサイタルのどれよりも一番の大音量でした。
そして辻井伸行君の演奏が始まると同時にピタッと鳴り止む拍手。聴き耳を立てる聴衆。
ホールにいる全員が皆、「音楽」を欲していたんです。
人が生きていくには音楽が必要だ。
行き過ぎている感染防止対策。トンチンカンな政策で若者と女性の自殺者が急増している。
本当に大切なものは何か。何を優先するべきか。
違和感しかない。
大きな流れはどうやったって変えられないことは分かってる。
それなら事が過ぎるのをじっと待つしかない。
「そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ。」
中島みゆきも歌っている。
だから。それまでは。
ジャパンツアー。まだまだ先が長いですが辻井伸行君、スタッフの皆さん体に気をつけて下さい。
次は、牛田君だなー。楽しみ。
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巷では連日、新型コロナウィルス関連の報道が続いています。
テレビをつければネガティブな話題ばかり。
症状・後遺症の怖さよりもそれにかかってしまったときの手続きやらの面倒くささ・周囲との関係性を考えるとやっぱり罹患したくはないよなー。
ってそんな程度です。
ワクチンはいつ行き渡るのか。
東京五輪パラ五輪はどうなってしまうのか。
もうそんなことよりも未来ある若者の自殺者増えてることにもっと目を向けてくれよと思いますけどね。
私はといいますと、この秋冬は取り憑かれたように剪定鋏を買い続けていました。
ビョーキです。
剪定鋏限定の強迫性買い物依存症に陥っておりました。
つい先日、熱は下がり症状は好転。収束したのですが。
闘病中、以前に投稿したブログの時点よりもさらに多くの剪定鋏を試しました。
その結果、一番切れる剪定鋏はどれなのかが分かったのでお教えいたします。(2020年現在)
なお審査基準としては¥10000以下の価格の鋏とします。
なぜならてっぺんはキリがありませんから。
だいたい僕の道具考として道具はあくまでも仕事で使うものだからです。
仕事で使うということは、無茶な使い方をしなければならない場面も時にはあります。
お高い剪定鋏では躊躇してしまうのです。
眺めて悦に入る工芸品じゃない。
あくまでも仕事に集中できる、ガシガシ使える道具としての剪定鋏。となるとよく切れて、安いにこしたことはないのです。
ではいきなりですが第一位。
アルスV8プロ(写真右側)
結局それかい!とツッコミが入りそうですが。
やっぱりコレです。
前回のブログ後、僕の造園屋仲間の中でも数人が使い始めました。
ブログを見てこの鋏を使い始めたという方もけっこういるとか、、、いないとかw
アルスV8プロはフェルコ8(写真左側)のパクリモデルですが、本家を圧倒しています。
その他の剪定鋏も試しましたが(写真1枚目参照)やはり圧倒的にアルスV8プロが切れる。他者を驚愕しています。もう孤高の存在です。
しかし。ですよ。
人間て飽きるんです。
よく切れる。それだけでは面白くなくなってくるんです。
枝をはさんだときの感触や音。それを「切れ味」と呼べばいいのでしょうか。
たまにはいつもと違う味を食したくなるんです。
毎朝、白ご飯と味噌汁の我が家ですが、たまにはパンとコーヒーの朝食がいいんです。
手打ちで値段も高くない剪定鋏では「吾妻川」が良いです。
5年ほど前に京都観光したときに寄った「坪田金物」で見つけて買った吾妻川の「剪定芽切り鋏」。
これがめちゃくちゃ良くて。
細かい作業はもちろん、太い枝までスパッと切れます。
それまでは、マツやマキに関しては木鋏(蕨手)と剪定鋏を枝の太さに応じて使い分けていましたが
「剪定芽切り鋏」ならこれ一丁で済んでしまうので結果、鋏を持ち替える回数が減りスピードアップにつながります。
芽切り鋏系もいくつか試しましたがやはりこの吾妻川「剪定芽切り鋏」が圧倒的に切れます。
切れるその秘密は、この刃の独特なカーブにあるのでしょう。
このカーブを生み出した吾妻川さんって凄いな。他の製品はどうなのだろう?と「剪定鋏B型」と「軽量剪定鋏」というものも買ってみたり。
左から「剪定芽切り鋏」「軽量剪定鋏」「剪定鋏B型」。
「剪定芽切り鋏」に出会った時ほどの感動はありませんでしたが、どちらも良い「切れ味」してます。
吾妻川「剪定鋏B型」良いんですけどね。
刃の幅が広過ぎて、細かい作業が出来なすぎるんです・・・
魔改造。
吾妻川の鋏鍛治職人さんに怒られそうです・・・。
刃先にかけてスリムに改造したのでした。
良い!
自分の使い方に応じて。楽しみながら。試しながら。
お盆前、正月前は2〜3ヶ月間ただひたすらに剪定、お手入れ仕事が続くものです。
来る日も来る日も剪定&お掃除の日々。
マンネリ化。
頭がボーッとして凝り固まってくることもあります。
そんな時には鋏を切り替えて、同時に頭も切り替えてフレッシュな状態で仕事に臨んでいけたらいいですねー。
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新型コロナウィルス感染拡大のため開期は6/9〜9/27に変更になりました。
子供たちも楽しめそうだったので家族全員で。
「光」を扱う作品が特に印象的でした。
「サステナビリティの研究室」
人が生きていくにはたくさんの二酸化炭素とゴミが出る。
芸術作品を作る際も同じらしく。
オラファー・エリアソンのスタジオでは作品を制作する際に出るゴミの再利用方法を、
また環境の負荷の少ない材料や形状の研究・検証をしているとのことでした。
その展示スペースを大変興味深く見せてもらいました。
再利用によって作られたこのマテリアル。
純粋に見た目がカッコいいです。是非庭で、建築で使ってみたいと思いました。
何気ない景色の地面に白線をひき「分ける」「区切る」「囲む」。
そうすると、そこが公園になる。
というインスタレーション。
その感覚はよく分かります。造園屋なので。
なんか。どの作品も、懐かしい気持ちになる。
科学的、工学的な手法で。何度も実験を繰り返し製作された作品。
作品を通じてオラファー・エリアソンが表現したいこと、観る人に感じてほしいことは、地球上では当たり前に起こっている事象の奇跡。美しさ。自然の営みの尊さ。
そう理解しました。
数万年間変わらなかった世界各地の景色がこの数十年間ですっかり変わってしまったようです。
僕は(誰もが)いつかは地球での暮らしは立ち行かなくなる。人類のほとんどは消えてしまう。そういうものだと気付いています。
しかし少しでも長く存続してほしいと願うのです。
子供たちがハイテンションで騒いでいるのを眺めていて思うのです。
子供も、その子供も、僕みたいに幸せになってほしいって。
いよいよもう待ったなしの段階。
僕らの代でなんとかしなければいけません。
一人一人が状況を理解して行動しなければ手遅れになってしまいます。
まずは知ってもらうこと。
「気付き」のキッカケを作ること。
それってそもそも造園屋の仕事でもあったことに気づく。
勝手に使命感が湧いてくる。
造園屋の僕ができること。
それは、時には不自然な手法も使うけど「自然」を表現する。「自然」を示唆する空間を作る。
見る人に自然への郷愁を呼び起こす空間を作ること。
実際に都市の緑の絶対量を増やすこと。
造園する工程で、できるだけゴミを出さないこと。できるだけ持続可能な手段を用いること。
いつの間にか僕は、すっかりオラファー・エリアソンのマジックにかかってしまったようです。
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鴻池朋子「ちゅうがえり」展 に行ってきました。
本来は4月18日〜6月21日の開期だったのですが、新型コロナウィルス感染拡大・外出自粛要請のため6月23日〜10月25日に変更になったとのことです。
僕は開催日初日のオープンと同時に会場に入りました。気合入ってます。
僕は鴻池朋子さんのことを「庭に一番近いアーティスト」と勝手ながら言っているのですが。
今回の展示も大いにそれを再確認し、それを楽しんできました。
会場は今年1月にリニューアルオープンしたばかりの、アーティゾン美術館です。(前身はブリジストン美術館)
会場に入るとまずこの作品がお出迎え。
幾多の素材とあまたの工法を駆使し制作された絵画。彫刻。メカ。
インスタレーション。コラボレーション。プロジェクト。
何ともいえない。カテゴライズできない作品。
多種多様な作品。それらを眺めていると「鴻池朋子さんって何人かいるのではないか」と疑問が湧いてくる。
しかもそれらの作品群はただ並べて展示するに留まらず。
あえて隠す。遠回りさせる。閉ざされた空間。広がる空間。暗い。明るい。
視線を、動線を誘導する。
上がらせる。登らせる。立ち止まらせる。覗かせる。触れさせる。かがませる。
注意深くゆっくり歩かせる。見返りさせる。
あの手この手で空間に変化がつけられ、作品が組み込まれています。
訪問者はただでは作品を見せてはもらえません。
否応なしに、半ば強制的に身体じゅうで作品を体験することになります。
ホワイトキューブの白い壁に作品を並べる。従来の不偏的な展示方法では叶わない。
たとえ旧作であっても以前のとは見せ方が違うので印象が違います。新たな側面の発見もあったり。
僕は造園屋なので、何でも物事全てを「庭フィルター」を通した目線で眺めてしまうのですが。
鴻池朋子さんのような空間の作り方。作品の見せ方って「庭」じゃん!って少し前から思っていて。
「アーティスト」は星の数ほどいるのでしょうがここまで庭的な見せ方する人はいないようなので。
ということで「庭」に一番近いアーティストだと僕は(勝手に)言っているわけです。
そして今回の展覧会。
会場内に・・・滑り台が設置されていました。その前後のくだりが衝撃的だったので。
大人になってからは初めてかもしれない滑り台。
僕は3回滑りました。
わりと滑っているのって一瞬で、滑ることに集中しているので周りの景色を見る余裕はないものなんだなと。
滑っている間の記憶もありません。
滑り始める前の眺めのいい景色 → からの → いつの間にか新しい景色が目の前にドーン。
滑り台って、タイムマシーンのようなものだと思いました。
さらにタイムマシーンの直後、目の前に現れるのは星を背負った巨大なカタツムリなんです。
これって凄いことですよ。
相反するものを対峙させて見せる。そうすることで双方をより際立たせる。といった見せ方は庭でも絵画でも常套手段の一つだと思うのですが。
滑り台の、タイムマシーンのような瞬間的な時間の感じ方と。極めて動きの遅いカタツムリを目の前にした時のスローな時間の感じ方。
身体的な感覚と視覚の、異なる感覚のそれを対峙させるなんて。僕にとって前例のない初めて遭遇する体験でした。
そもそも。滑り台を滑る前の、スロープ入り口脇にあったツノの振り子。
チクタクと淡々と揺れる振り子のツノ・・・。
この時点から既にこの「時間の体験」は始まっていたのだと。
「人の時間の感じ方をデザインしている」ということだと思ったんです。新手の高度な手法。発明です。
それは簡単に鮮やかに「庭」を越えてしまったんだな。
アートは面白い!
革トンビにも再会。
瀬戸内国際芸術祭2019の「大島」で展示されていた作品です。
かつてのハンセン病患者の隔離施設だった大島。その島の北側の森には昭和初期に入所者たちが不自由な体ながら力を合わせ伐り開いた山道「相愛の道」があります。
数十年の歳月の中で忘れ去られすっかり藪に閉ざされてしまった山道でしたがそれを再び伐り開き、改めて道を整備し。森の中に「革トンビ」を設置するという作品でした。
設置後、森の中で数ヶ月間風雨に晒され、時には台風に遭いボロボロになったという革トンビ。
こんがり日焼けして。すっかり逞しくなって。
東京駅から歩いて5分の美術館で。なんか居心地悪そうにも見えました。
ちなみに大島での革トンビ展示風景はこんな感じでした。
縁があり「ちゅうがえり展」図録のスペシャルサンクス内に弊社名の記載もしていただいています。
ただの自慢です。
一ファンとしてちゃっかりしっかりサインも頂戴して。
家宝です!!!
ありがとうございました〜
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毛呂山町のいちご狩り農園「じょうもんふぁーむ」様の外構・庭作りです。
作業前
作業開始です。
ホフマンレンガというレンガを使いました。
歪み、ひび割れ、色。表面には釉薬が付着していたりして見た目激しめなやつです。
一つとして同じものがないというのも面白いレンガです。
数種類のレンガのサンプルの中からお施主様に選んでいただきこれに決まりました。
お施主様好みの、敷き方はジャンクに。「荒れ地」感出るように。
輪郭と目地はランダム。時にはハンマーで割ったレンガを混ぜつつ遊びながら。
こちらのイチゴ狩り農園。FM79.5の「ゴゴモンズ」が2度取材に来たらしいです。
お施主様にNACK5ステッカーを横流ししていただきテンションが上がる。テンションの上がらない埼玉民はいないでしょう!
植栽が始まりました。
今回の、、、高木はシラカバ一択です。
シラカバ。良いですね〜
ハッとするような幹の白さから「高原の貴公子」と形容されるシラカバです。
寿命が短く(平均で4〜50年。長くても70年ほど?)古くなると特に虫に入られやすいとのこと。
移植もやや難しいので造園屋的にはできれば扱いたくない樹種ではあります。
しかし美人薄命というか儚いからこそ美しいという日本的な価値観でもって見ればそのような点もいじらしく魅力的です。
そんなシラカバですが真逆の側面もあります。
例えば高原の山火事・土砂崩れ等で裸になった土地に真っ先に生え揃い森を形成するのはシラカバです。
そういった植物をパイオニアプランツ(先駆者植物)と呼ぶらしいです。
ナリは貴公子。しかもやることは大胆でしたたかなんて男の僕から見ても惚れてまうやろ。
ちなみに今回植えさせていただいたのはシラカバでもジャクモンティという品種で高原・寒冷地でなくても平地でも生きていけるというもの。
また普通のシラカバはある程度年数を経ないと幹が白くならないけどこちらは若木のうちから幹が白くなる。というものです。
植え方としては、品種は違えどもやはりシラカバですからね。
シンボルツリーみたいに1本植えるというのではなくて、複数本を組んで植えて「白樺林」にするのがシラカバらしくて良いと思います。
・・・。
ある材料が手に入らなくて工事が停滞。
ここぞとばかりにできた時間を利用して森美術館「未来と芸術展」へ行ってきました。
様々な分野の「未来」を提唱する展示。
その中でもやはり僕は造園屋なのでこれからの緑あふれる都市の在り方とその緑化技術に興味があります。
仲間の応援にも寄せてもらいました。
講演会聴きにも行ったり。
京都時代の先輩に呼んでいただき北海道へも。
富裕層のインバウンド向けホテルの、室内の茶庭工事。
多くの刺激を受け・・・
工事再開です。
やっと材料が手に入りました。枕木です。
これはいちご狩りに来られたお客様が待つスペースです。夏はいちごシャーベットを売るのでイートインスペースとしても利用できます。
低木を植栽しグリ石を撒いて、工事完了です。
いちご狩りのシーズンはおおよそ1月〜5月です。
その時期(冬)に照準を合わせ植物を選び植栽させていただきました。
冬に無数の花を付けるジャノメエリカ
シラカバは葉がなくても幹が綺麗。冬空に映えます。
グラス類は常緑のものを。
まだ小さいですが年内にそれぞれが3倍以上の大きさになります。
花が咲き、冬にはドライフラワーになる草花も仕掛けています。
想像してください。アンティークのようになったドライフラワーが冬の霜にあたってキラキラ輝くのを。
それは来冬のお楽しみですね。
これはお施主様の自作の看板。ナイスセンスです!
そしてやはりパイオニアプランツのシラカバには荒れ地が似合う。
春が訪れて新芽が吹いてきました。
冬に照準を合わせて作ったお庭ですが、冬以外もイイ感じになりそうです。
それぞれの植物の成長が楽しみなのはもちろん。
シラカバが植えられていますので、それぞれの植物の盛者必衰の変遷も楽しみです。
いちご畑よ永遠に・・・
後日。
夏の写真を貼り付けておきますね。
じょうもんふぁーむ
http://www.ichigonomori-akazukin.com/joumonfarm
いちご狩りはだいたい1月〜5月まで。大人気なので予約必須です。
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庭の改修工事に際して物干し台のご依頼を頂きました。
今までは庭いっぱいに大蛇のように物干し竿が連なり設置してありましたので。
洗濯物を干すのが少しでもラクになるように考えました。
設計。鋼材の加工から溶接まで。全部自分でやります。
勿論、設置も。
物干し竿の高さはお客様の身長に合わせて。
普段は物干し台ですが。ヨシズを架けベンチを置けば四阿(あずまや)としても利用できます。
完成から数か月。剪定にお伺いした際の写真です。
省スペースながらラクに大量に洗濯物が干せると大変喜んでいただきました。
(既存の、不要の沓脱石は洗濯カゴを置く台として再利用しました。)
「造園あら井」じゃなくて「鉄工あら井」ですね。
鉄のお仕事も承っております。✌
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以前からお付き合いのある東京のお客様が日高市内に別荘を建てました。
その外構と庭作りです。
家が建つ前の状況。川沿いの敷地です。
こんなに良いロケーションの宅地が日高市内にはあるんです。
着工。
BESSの家「G-LOG なつ」です。よく雑誌の広告で見かけますね。
まずは石組からスタート。
石組みの石はすっかりお馴染みになりました。
造園あら井ご用達の採石場で僕が一石一石選んだ石を使用しました。
ギリギリ。
敷地の奥にはユニットハウスを据え付けました。
「別荘の別荘」です。男は「小屋」が好きなんです。小屋で過ごしたいんです。男のロマンです。
僕の家にも同じユニットハウスがありますが。
「男のロマンは女の不満」ですねw
実感しています。
アプローチの土台。
これまた造園あら井ご用達の再生樹脂を使っています。廃プラ・廃タイヤをドロドロに溶かして型に入れ固めた製品です。
腐らないのは勿論、もしいずれ解体ということになってもリサイクルしてまた別の製品に作り変えることができます。サステナブルな素材です。
これは鋼材と再生樹脂を組み合わせて作ったトレリスです。
ツル植物を巻き付かせ、ゆくゆくは「緑の壁」になります。
この家は裏側を駐車場・道路側に向けて建てられています。
訪れた人が最初に目にするのが裏側なのです。それはあまりかっこよくない(特に一階部分の裏側感がすごい)ので緑の壁で程よく隠すことにしました。
鉄部分は錆びたらかっこいいですよ。
3mm厚の鉄板でできているので20年は朽ちないと思います。もしゆくゆく朽ちたとしてもツルはそのままに鉄の部分だけ交換できる仕組みになっています。
構造物が収まってきたので植栽です。
敷地が広いのでコナラをたくさん植えました。BESSの家と周囲の山に生える樹種に寄せてのコナラです。
高木はあえてのコナラ一択です。
玄関までのアプローチ。この一角はワサワサのジャングルになる予定。そこにスッと伸びるアプローチ。になる予定。
ちなみにアプローチには微妙に勾配をつけて玄関までの段差を減らしています。
ポストにはもうすっかり定番になった感のあるボビを。
これまた鋼材と再生樹脂を組み合わせて。庭園灯になります。
駐車場は最大4台が駐車できるようにしました。
大雨が降れば駐車場前の道路は川になり、水はこちらの駐車場に流れ込んできてしまいます。
勾配を整地・調整し、入ってきた水は駐車場内を一巡りしてまた道路へ流れ出ていくようにしています。
この勾配の調整が地味に難しかったです。
庭園灯への照明の取り付けを残し、完了です。
木も下草ももっと大きくなりますし茂ります。
そしたら思い描く景色に近づくと思います。
お施主様のご要望をお伺いしつつ、建物と建物を取り囲む環境をリサーチしつつ、庭なり外構を作ることでより良い“何か”がプラスになるように設計・施工させていただきました。
庭の周囲の景色を生け捕り庭の一部にしてしまう「借景」。
あえて遮蔽し、景色の一部を見え隠れさせて奥ゆかしさを出すとか。
相反するものを対比させてそれぞれをより際立たせるとか。
朽ちてゆく様の美しさとか。
ワビサビ。もののあわれ。諸行無常。
茶庭的なもの。枯山水的なもの。宮廷の庭的なもの。
日本の庭の景色の作り方、魅せ方のセオリーはイロイロあるものですが今回は京都の庭作りに改めて学びながら構成させていただきました。(一見そんな風には見えないかもしれませんが)
京都の庭はもう古い。過去のもの。京都の庭に明日はない。そう言う人がいます。でもそんなことありません。一周回って僕にとっては新鮮で斬新。
やっぱり京都は特別です。
名園と言われる庭は、現代人の作る庭よりも遥かに深く考えられています。
空間の作り方がうまいです。
京都の底力を再確認している近頃です。
ただ。
京都で見られるような「日本庭園」といえば。
庭を美しい状態で維持するには。
または、より美しくしてゆくにはマメな掃除が不可欠。というのが当たり前です。
しかし今回作らせていただいた庭にいたっては掃除も草引きもマジメにはしないで下さいとお客様にお伝えしています。
多少の落ち葉、雑草も絵になる。風情がある。そう見えるように作っていますので。
掃除の行き届いた庭は良い。それはよく分かります。精神性も含めて優れた日本の文化だと承知しています。
(僕も京都での修行時代は当たり前のように舐めるように掃除していましたし、現在も基本庭の掃除はキレイにします)
しかし現代人は何かと忙しいですからね。
庭なのでメンテナンスフリーは無理ですがローメンテナンスなら工夫すれば可能です。
だったらローメンテナンスの庭の方が良いじゃないですか。
今回の案件はそもそもが別荘です。休日、別荘へ憩いに行ったのに掃除と草引きで滞在時間のほとんどを費やしてしまったというのはよく聞く話です。
それではなんのための別荘なのか分からなくなってしまいますよね。
照明がつきました。
必要最低限に足元を照らし。同時にライトアップもしてくれるという一石二鳥な優れもの。
造園あら井オリジナルです。
そして「庭」部分。アプローチを抜けた先の庭の景色はこんな感じです。
周囲の山にも多く生えているケヤキとモミジを植えてウッドチップを敷き詰めるだけにしました。
犬を走らせたり、ドッヂボールしたり、BBQしたり、おうちキャンプしたり。
広々。シンプルだからこそ使い方は自由自在。そんな庭です。
庭から眺められるのはこんな景色。
最高。
この景色を目の前にして、一体庭に何をどうしろと言うの。
・・・3ヶ月後の写真です。
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心待ちにしていた展覧会。
バスキア展「MADE IN JAPAN」
会場に足を踏み入れた瞬間の興奮といったらもう。
しかし展覧会の終盤ではやや飽きてしまっている自分がいて。
ニューヨークのアートシーンに彗星のごとく現れ。突然若くして亡くなったバスキア。
僕がティーンズの時に熱狂したロックスターに当然ながら彼の人生を重ねてしまいます。
ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン。そしてジャン=ミシェル・バスキア。
全員27歳の若さで死に伝説になった。
不謹慎かもですがそれでよかったのだと思ってしまう。
塩田千春展「魂がふるえる」
糸を使ったインスタレーション。
緻密さとその仕事量を想像してふるえた。
造園屋的にはどこから眺めても絵になる構図と、糸の末端隅々まで気持ちが入っている。それも体調が万全ではない中でやった仕事とのことでふるえた。
ちょっと引っかければ切れるか緩んでしまう糸という素材の危うさ。
手間のかかった壮大なインスタレーションだけど会期が終わってしまえば無になってしまう儚さ。
糸。赤。紡ぐ。女子的なもの。あやとりみたいな。呪術的なもの。
日本的なもの。
庭にも通じることがたくさんあり。
行ってよかったです!
僕のアイドルがさいたまにやってきたので。もちろん行ってきました。
お決まりのサイン会。
しばらく前ですが多発性硬化症という難病と診断されたことを公表されたアリスさん。
そんなことを微塵も感じさせない素敵な演奏でした。
インスタで見ることができる身体能力の高さ。ユーモアを交えたトレーニングの様子。そんな元気な姿をずっと見続けたいのです。
でも無理しないでください。これからも応援しています。
クリムト展「ウィーンと日本1900」
いやもう最高。人間は美しい!そう思わせてくれる展覧会でした。
特にベートーヴェンの交響曲第九番をモチーフにした「ベートーヴェン・フリーズ」(原寸大複製)が良かった。
そもそもベートーヴェンが好き。
そして読んでみたロマン・ロランの「ベートーヴェンの生涯」
ベートーベンはテレーゼという女性と恋に落ち婚約まで至ったが身分の違い、また収入が安定しなかったため(数々の名曲を生み出していながらも)破棄された。
ベートーベンは耳だけではなくお腹、目も良くなかったらしい。
保護者として一緒に暮らしていた甥との関係もうまくいかない。一つも成就しない恋。孤独な最晩年。
常に問題を抱え悩み続ける人生。
完全に運に見放された人生。
しかし。最後の最後に作った交響曲第九番で歓喜に至る!なんてなんという精神力の強さですか!
ベートーベンの壮絶な人生はメジャーデビューしているロックスターの誰よりもカリスマ的でドラマチックで。惚れた。
大人になってから始めた、今年で5年目のピアノはそういえばベートーヴェンずくしでした。
ピアノの発表会では「悲愴 第二楽章」と「エリーゼのために」に挑戦しました。
どちらも素晴らしい曲。発表会が終わっても、一生向き合いたい曲。それくらい奥が深くそして難しい。
悲愴第二楽章でいえば、辻井伸行くんの演奏が一番好きです。重過ぎない。悲しいけれど穏やかな。暗闇に一片の希望の光が差し込むような「悲愴」。
何十回も動画を見て、意識して弾いてみて。でもどうやったってあの音は出せない。一体何がどうなっているのか理解できない。天才とはこういうことかと。僕の悲愴は激しく重いだけの。絶望しかない悲愴。幼稚な演奏。
それががよーく分かっただけでもピアノ習っていてよかったなぁと思っています。
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京都の刈込み鋏は独特の形をしています。(写真中央)
「京都門型」といって刃は肉厚。幅は狭く長さは短く。柄の付け根から刃にかけての鉄芯は大きく膨らんでいます。
京都の職人の間では両手で使うことから「リョウテ」と呼ばれています。
「刈り込み」という剪定方法は、枝葉の「線」と「面」をビシッと綺麗に歪みなく刈り揃える。
線・面からは葉っぱ1枚飛び出ていない仕上がりを良い仕事とするものです。
しかしこのリョウテは刃が短い形状のため通常の刈込鋏(写真左側・右側)に比べて線と面を出しにくいんです。
なので線と面を出しやすい刃の長い写真左側・右側のような普通の形の刈込み鋏を20年近く、ずっと使っていました。
十数年前の修行時代。とある日の休憩時。応援のベテラン職人さんとの会話の中で「京都の刈り込みはやんわり仕上げるもんや。だからリョウテはこの形がええねん。」と教えられ、その言葉に感銘を受け是非試してみたいと思い、修行中でとにかく貧乏でしたが「安広さん」のリョウテを清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入したのでした。
鋏は、新品の場合はすぐに使うのではなく1年間油紙に包んで寝かせておくと刃が強くなると言います。
また下ろす時季も春の新芽の頃に下ろして柔らかい枝から徐々に慣らしていくのが良いといわれます。
それらを忠実に守りそうして下ろした初日。
まさかの出来事が。
刈り始めて数分後に、あっさり欠けたんです。しかも数ヶ所。
それぞれの欠けが3ミリくらいにガッツリと。
しかもコノテガシワというたいして硬くもない木で。
もうショックやら悲しいしいやら・・・。
自分には手に負えないレベルの欠けでしたので修理に出しました。
まだ当時の安広さんは代が変わってから日が浅く未熟だったのでしょうか・・・。
修理には時間がかかるものです。そうこうしている間に修行を終え京都から埼玉へ移住。独立開業していました。
独立開業して一ヶ月ほどで東日本大震災があり。
もちろん埼玉は大した被害はありませんでしたが不穏な空気に包まれていて仕事は全くなく。
・・・それから今日まではあっという間でした。
とにかくご飯を食べるために必死のパッチで仕事を獲り、こなしていく日々。
既に修理は済み届いてはいましたが、リョウテのことはすっかり忘れていました。
普通の刈込み鋏で仕事をしていました。
独立して今年で10年目。
今朝、どうしたことでしょうか。
ふと、あのベテラン職人さんの言葉を思い出し。そして道具置き場の隅からホコリだらけのリョウテを取り出し簡単に清掃して現場に持って行ったのでした。
カナメモチの生垣を刈ってみました。
欠けが怖く最初はおっかなびっくりでしたがしばらく使ってみてどうやら大丈夫そうな手応え。
修理の際に刃に改良を加えたのでしょうか?安定してめちゃめちゃよく切れる。
リョウテを使った感想。
少しコツがいります。
面や線を意識しつつ、その面や線よりも少し深い部分にリョウテの刃を入れて刈るイメージ。葉を刈るというよりも枝を挟み込むようなイメージ。
そんな感じで刈ると上手くいくようです。
そしてこの刈り方ではこのリョウテの形がすこぶる調子が良い。
仕上がりの写真を載せますが、これはこれでフワッとやんわり良い感じです。
こう見えてちゃんと1年で伸びた分を縮めることができています。
そして作業性ですがリョウテでの仕事はラクです。
やんわりした仕上がりなので線や面から葉が一枚飛び出してるのが気になるということがありません。
神経質になり過ぎなくて良いいんです。
遠くから見たら、やんわりですが線が出ています。
カッチリし過ぎない仕上がり。良い感じです。
もしかしたらバリカン(ヘッジトリマー)で刈るよりも作業スピードが早いかもしれません。(樹種によるかもしれませんが)
そういうことであれば埼玉でリョウテを使う意義もあります。
今日はカナメモチだけですが、他の植木もリョウテでやってみたくなります。
後日
これはリョウテで刈ったもの。
右のモクセイはリョウテで。
カナメモチとツゲはリョウテで。
サザンカの生垣はリョウテで。
モチはリョウテで。
同様の現場の過去画像。このモチは普通の刈込み鋏で。
過去画像。このサザンカの生垣はバリカンで
過去画像。このコニファーはバリカンで。
過去画像。このレッドロビンの生垣はバリカンで。
過去画像。ドウダンの生垣はバリカンで。線で遊んでいる生垣です。
この巨大なキンモクセイはバリカン&普通の刈込み鋏で。
リョウテと普通の刈込み鋏・バリカンとの違い分かっていただけましたでしょうか?
リョウテで刈った方が仕上がりが柔らかいと思いませんか!?
写真じゃなかなか伝わらないかもしれませんが、
この違いをご自身の目で確認したい方は仕事させて下さいw
僕は京都でも、町屋や数寄屋を多く手がける店と禅宗寺院を多く手がける店の2件で修行させてもらいました。
リョウテのことは前者の店の現場の応援に来ていたベテラン職人さんに教わりました。
前者の店では刈り込み作業は一切なく。生垣でもサツキの玉でも剪定鋏でフワッと透かす剪定をしていました。
後者の店では刈り込み作業、特に生垣は沢山ありましたし、刈込みと言えばビシッと刈ってこそが良い仕事という価値観でしたので同じ京都のお手入れ・剪定と言えども一辺倒ではないことを改めて思い出します。
そしてやはり照り屋根で角柱、漆喰白壁の社寺建築の庭、方丈庭園にはビシッと線と面の出ている緊張感ある佇まいの生垣の方が似合います。
一方でムクリ屋根で丸太の柱・垂木、中塗り仕舞いの土壁の数寄屋建築の庭、茶庭にはフワッとやんわりな生垣の方がやっぱり似合います。
場所に応じて何が合うのか。どう刈り込むべきか、どう剪定するべきかがよく考えられています。
刈り込みといえども。剪定といえども奥が深い。
京都の刈込みからもまた一つ学んでしまいました。
場所に応じて、場所を読み剪定する。
庭作りするように手を入れる。
それが今でも僕の目指す剪定・お手入れなのですが、
当時を思い出し襟を正しています。
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川越の、うつわのギャラリー。
うつわノートさん。
現場からの帰り道でたまに寄るお店。
出会いは突然に。
西垣聡さんという作家さんが作ったロックグラスです。
一目惚れでした。
手仕事ですから同じデザインでも微妙に作りが違う。
その中から、悩みながら選ぶこと小一時間。店主の松本さんのアドバイスも頂きながらコレに決めました。
ウィスキーの手持ちがなかったので芋焼酎ですが早速ロックでいただいてみる。
この佇まいはロックというよりもパンクですがね・・・。
分厚く吹いたガラスからグラインダーで削り出だし磨いて仕上げたというグラス。
ガラスって透明だと思い込んでいますが実は緑がかっているのが多くて。
このグラスは分厚いのにとにかく透明度が高い。
だから氷とかお酒が入った姿も綺麗。水滴もきれい。
そんなのを眺めながら飲むお酒。
手の中で転がしながら。
しかし重い。トゲトゲは痛いくらい。
手には全く馴染まない。
反抗的なやつだ。
グイッと飲み干してドンってテーブルに置く。
この感じが良い。
このグラスでしか味わえない時間が確かにあります。
毎晩のルーティンがより楽しくなりました。
うつわノートさんに行くようになってから「生活工芸」という世界があることを知りました。
「生活工芸」。まだ僕には理解しきれていないのでググってみてください。
ハマったらヤバイ世界がそこにあります。
先日、研修旅行で沖縄へ行くことになり。
そして寄ってみた「やちむんの里」
やちむんというのは沖縄の方言で「焼き物」の意味。
共同の登り窯。
窯に関しての知識はありませんが、この石積みの石とか屋根瓦とか。沖縄の風土を感じられます。
ここで購入した。これは與那原正守(よなはらまさもり)氏によるうつわ。
フチの模様。底のペルシャンブルー。
異国情緒がミックスした独特な雰囲気が気に入って買っちゃいました。
自宅にあったスタンダードなやちむんと比べると、やっぱりやちむんはやちむんですね。
再び
うつわノート
今度はスナ・フジタさんの。
図案が可愛すぎる。愛が溢れている。
これは人気出るのもうなずけます。
僕が行けた展示会最終日前日にはほぼ売約済みになっていました。
でも良いのを買って帰れた。
嫁さんへのプレゼント。
という口実で買ったのでした。
ところで店主の松本さんがよく口にする、
「うつわなんて100均のものでも事足りるんです。。」が印象的で。
でもそれって庭と同じだよなぁって。
僕がこんなこと言うのも変かもしれませんが庭なんてなくても生きていけますからね。
でも生活の中に庭がある。お気に入りのうつわがあるって、なんか、すごく良いですよね。
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2019年に行った美術館・展覧会で面白かったやつのまとめです。
イサムノグチ庭園美術館。
ずいぶん前(20年近く前)から憧れていた場所。
3月に香川への出張があり、遂にやっと訪れることができました。
石の彫刻は勿論のこと。大地の彫刻(庭と呼ばせていただきたい)も圧倒的でした。
造園屋的には特に庭の、「築山」に唸りました。
イサムノグチの意匠に対する強い作意が伝わってくる曲線。少し重力に逆らった人工的な曲線。施工した業者さんは大変だったろうなぁ。維持管理もしかり。
館内・庭園内は写真撮影禁止なので写真はこれだけです。
思い出は胸の中に、、、は難しいのでボリューム満点の写真集買いました。
「へそまがり日本美術。禅画からヘタウマまで」展 @府中市美術館
これですよ。
あの徳川家光将軍が自ら描き、家臣に贈ったという「兎図」。その破壊力。
歳の近い狩野探幽と親交があり、江戸城・二条城で狩野派の絵に触れられることはいくらでもあったはずですが。
このヘタさ。
力のないおぼろげな線。サングラスのような黒く塗りつぶされた目。
そもそも構図が変。素人の僕から見ても。
家光将軍。一方で剣術の腕はなかなかのものだったそうです。
天は二物を与えないんですね。
ネット上ではこの「兎図」カワイイと評判ですが、どうなんですか。
ついでにウェキペで徳川家光を調べていたらなかなかのキワモノだった説も浮かび上がってきました。
カワイイ。のか?なんかゾッとするんですけど。
将軍様の絶対的な権力と当時の世の中の雰囲気を僕は想像できませんが。将軍様が描いた絵を見せられた周囲の人間は何てコメントしたのだろうか。この絵を賜った家臣はどうリアクションしたのか。
興味が尽きません。
「クリスチャン・ボルタンスキー 回顧展」。
最初から最後まで。「死」の臭いがプンプンしていました。
一時、気分が悪くなりそうになるくらいに。
この展覧会は映画「シンドラーのリスト」とリンクする。
全編モノクロの映画。ホロコースト。戦争は人格を変える。人間の愚かさ。弱さ。生きることへの執着。強さ。
星の数ほどの人々の無念の死があり。奇跡的に僕らは生きている。
安心はできない。危ういのは今も変わらない。
きっかけは戦争だけではなくて。災害かもしれないしウィルスかもしれない。
トム・サックス 「ティーセレモニー」展
野点セットでしょうか。
NASAのロゴ入り茶碗。
露地のお掃除セットでしょうか。
庭門。
つくばいにハンドソープが。
合板とFRPの池。
お茶室。
刀掛け。ライフル掛かってますけど。
関守石。
床の間。
奇をてらってますね。しかし。
純粋に茶道を愛し、理解し、自由に工夫して楽しんでいるのが伝わってきます。
そう考えるとトムサックス氏は現代における本物のお茶人さんかもしれない・・・。
形式ばかりにとらわれた(ように見えます)現代の茶の湯に一石を投じる展覧会だったのではないでしょうか。
夏休みの家族旅行で行った、
福井県立恐竜博物館。
大阪 天保山。
ドラえもん展
パッと見では分かりにくいですが、超絶技巧が駆使されて作られている作品が沢山あるんです。それは、絵画や造形に詳しい人の説明を受けなければ知り得ないことです。
テキストには何も書いていません。
ちゃんと説明書きがあった方が、愉しく、皆ありがたがって観ると思うのですが。
僕と同世代のアーティスト・作家さんも多数活躍していて。刺激を受けました。
海遊館
8泊9日。テント泊しながら。
カワイイ。
9年前の、僕の処女作にも再会。
根っこの部分は今と何も変わってない。ブレてない。
そして
瀬戸内国際芸術祭2019。
大島。
鴻池朋子さんの作品群。
森の整備と作品展示のお手伝いをさせていただきました。
アート好きの僕が、現代アートの最前線の仕事に携わることができるなんて感無量です。
その様子またいつか機会がありましたらブログに書きたいと思います。
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?造園あら井では従業員・見習いを募集しています。
経験・未経験は問いません。
未経験者の場合は30歳まで。
要普通自動車運転免許(AT限定不可)
仕事内容: 庭園の設計・施工・維持管理。
給与: 日給¥9000〜。経験者の場合は能力に応じて。(月給制にすることも可能です。)
賞与: 業績による
休日: 日 祝 他(週休2日制が希望であれば相談にのります)
加入保険: 雇用 労災 健康 厚生
試用期間:未経験者6か月 経験者3か月
埼玉県日高市野々宮の会社倉庫に集合後、現場へ向かいます。
主な現場は埼玉・東京です。たまに地方への出張もあります。
仕事内容は庭作り・外構工事とその維持管理です。
ホームページの施工事例やブログの施工事例を見てください。
植物、石、コンクリート、金属、樹脂、など様々な材料を使い、自然の魅力を感じられる生活空間を作っています。
造園工事が多いので庭に係わる技術を身につけることができます。
やってみたいと思う方は簡単な自己紹介・住所・連絡先を記入しメールを下さい。
TEL:0120-38-5109
MAIL: info@zoen-arai.com
WEB:http://zoen-arai.com
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病院のお庭の造園工事です。
まずは地面に落書き・・・
ではなく「地割り」と言います。大真面目に描いた線です。
と。本格的な工事が始まる前に、高尾山へお勉強に行って来ました。
隈研吾!な高尾山口駅。
目当ては高尾山のモミの群生地でした。
端正なモミの立ち姿よ。
モミ林に憧れて。複数本のモミを組んで植えることを今までに何度もやってきましたが(過去の施工事例をご覧ください)、
リアルなこのモミ林の雰囲気。スケール感。良いですね。
モミ林の低・中層のコナラ・クヌギ・アオハダなどの雑木類。
モミの深い緑色と雑木の淡い緑色とのコントラスト。
この気持ちよさの、ほんのひとかけらでいいから庭に再現できたらな。
フムフム。
ほうほう。
途中。山の東側斜面に現れたモミジだけの森。
素晴らしい。
山頂。さすが世界一登山者の多い山です。
山頂といえばこれでしょう。
行列のできるラーメン屋よりも美味いラーメンですよ。
そんなこんなで本格的な工事の始まり始まり。
きれいな赤土を100m3入れました。
25tラフターも10tダンプも一日だけのチャーターなので、お祭り騒ぎ。
そして整地。
既存の石を再利用。新しい石も足して石組みです。
ここは待合室から眺められる景色となります。
植栽工。
クレーンが届かない場所は原始的な方法で。
モミ、コナラ、モミジ、そしてリクエストのヤマボウシを。
芝貼り。
土砂降りニモ負ケズ・・・
川を模した園路がリアルな川になり・・・(汗)
グリ石で化粧して仕上げです。
アメリカンな建築に寄せてグラス類をたくさん植えました。
茂ればなかなか洒落た景色になると思います。
病院の庭。
パブリックな空間なので「単純明快」を心掛けました。
わあ綺麗!
散策したい。
築山に登ってみたい!
待合の時間にどうぞ庭でお過ごしください<(_ _)>
完了後2か月後。
早くも芝がモリモリ。
造園あら井で扱っているのは一級品の芝なんです。
複雑な形状の築山です。芝の刈り方にちょっとしたコツがいるのでレクチャーさせていただきました。
常駐の管理のおっちゃんの刈り払い機の扱い。上手いもんで安心しました。
維持管理よろしくお願いいたします。
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作業前
新堀建設さん施工のログハウスです。
作業中
ブロック積みからスタート。
駐車場工事。
コンクリート洗い出し仕上げで。
石材は採石場へ直接買いに行く。
良い石が入りました!
石組み。
鉄の構造物もすべて自分で加工・溶接して作ります。
自分で作るから寸法に自由になれる。
仮枠に焼杉板使ってみる。洗い出し具合で遊んでみる。
植木畑で温めていたとっておきの木を。
線で遊んでみる。
ムクらせてみる。
作業後
門柱
駐車場の仕上げ。穏やかな池のイメージ。
「フトン籠」をモチーフにした階段。
言わずもがな。渓谷のイメージ。
実は階段になっています。
ちなみに今回の工事の図面と。
全身全霊をかけた、渾身のスケッチ。
ヘタすぎるッ!!!
・・・。
こんな絵なのに仕事をさせて下さったお施主様の勇気に感謝です。
m(_ _)m
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造園あら井の新井です。
趣味は採石場巡りです。
弊社(埼玉県日高市)から車で2時間圏内でも探せば良い石がたくさんあります。庭で、どうやって使おうか考えるのが楽しくて。
目当ては石だけではありません。
採石場の景色も僕にとっては御馳走です。
人と自然が対峙する最前線。
ここでしか味わえない空気。
もののあわれ。諸行無常・・・。
道路や河川や橋やトンネルなどのインフラ。ビルや家などの建築。
生活する空間のありとあらゆる構造物を人が自然を破壊し切り拓き獲得した材料で造られていることをどれくらいの人がリアルに理解しているだろうか。
現代人と自然の関係、自然の恩恵を知ることは山積している環境問題を解決していくことの第一歩なんじゃないかと。
義務教育中に社会科見学で一度は地域の採石場を訪れるべきだと思っています。
ところで自然といえども、人の手が入っていない自然(原生林)は国土の4%以下なんですって。
日本の自然は人工であふれている。
自然の造形は圧倒的に美しい。そして癒される。
どうやったらそれに近づくことができるのだろう。
景色を作るのが僕の仕事なので、いつも考えています。
ふと思ったこと。
そもそも人が美しいだの癒されるだの言っている自然って「人の手が入っている自然」に過ぎないのではないのだろうかということ。
人の気配を感じられるからこその安心感とか。
整備された安全な場所から眺めるからこその余裕とか。
もし人の気配を一切感じられない、人工物が何もない自然の中に放り出されたら、ただただ恐くて自然が綺麗だと思えないはず。そもそも景色を楽しむどころではなくなるはず。
その恐さを知りちゃんと自然を畏れることができるようになったら庭作りにおいて一歩前に進める気がしています。
庭を作っているからこそ例えば天龍寺曹源池庭園や毛越寺庭園の石の扱いの凄まじさが分かります。現代の造園屋には絶対に到達できない凄味がそこにはあります。
それはなぜか。当時の人々の生活を想像すると分かる気がするんです。
ってことで、服部文祥よろしくサバイバル登山へ明日から行ってきます。
よりリアルな自然に近づくために。
・・・いや来年の夏休みにしようかな。
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作業前
この空間を緑いっぱいにします。
しかし家のすぐ脇を流れるドブのため夏になると蚊が多く発生し臭いもするとのこと。
庭を作っても庭に出てくつろげないのではないか。とお施主様は心配されていました。
また、ドブの向こう側は公園ということもあり庭側のカーテン・障子・窓の開けることができない生活を強いられていました。
作業中
目隠し&ドブの臭いが上がってこないようにするために背の高いフェンスを設けることになりました。
しかし細長い敷地です。
背の高い目隠しフェンスを設置してしまうと庭が暗くなってしまいます。
そこで考えたオリジナルのフェンス。
ポリカ(ポリカーボネート)を採用しているので目隠ししつつ光を取り込めます。
その手前には柵状に編んだ鉄筋。ツルを這わせれば壁面緑化することができます。
目隠ししつつ光を取り込み、さらに緑を楽しむことができる。という欲張りなフェンスです。
坪庭は樹脂のウッドデッキでしたが解体し、石と木で山の中のような雰囲気を目指します。
この石。天然石ではありません。
岩盤をダイナマイトで破壊して作られた石。
人工的な石です。
どの石も角が出ていて攻撃的な形。
それでいて表面は印象派の絵画の色彩のようですね〜
植栽も自然界にはない不自然な樹種の組み合わせですが、自然を感じられるように。
作業後
ポリカを通して入ってくる淡くて白い光は山の東側の林床の中にいるような。
はたまた天国にいるような・・・
岩盤を爆破し作られた石。
手前の石には岩盤にダイナマイトを仕掛ける際に開けたドリルの跡が。
人工の石ということを示唆するために見える形で据え付けました。
つる植物はお施主様と相談し「ツキヌキニンドウ」「ムベ」「常緑クレマチス」を植えさせていただきました。
坪庭の。
和室からの眺め。
リビングから。
寝室から。
造園工事完了2か月後。
ドブの臭いは上がってこず、全く臭くありませんでした。背の高いフェンスが効いてます。よかった〜
早くも伸びてきたツル植物。
これから先、壁面緑化の茂らせ具合、手の入れ具合、光の入れ具合。
どんな感じに手を入れていくかが楽しみです。
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ここ最近に行った展覧会で楽しかったものを。
ミュシャ展。
写真撮影OKな展覧会が増えました。
ここでも。
インスタが展覧会のあり方を変えてしまいましたね〜
ところで草間彌生さんは発明家でそして商売上手だと思う。(独断と偏見です)
日本一稼いでいるであろう現代アーティスト。村上隆氏はただの商売人ではない。
先日トークショー拝聴しました。ほぼお金の話でしたけどね。
200人以上のスタッフをかかえ、世界中から大きな仕事を取ってきては工業的に生産し売っていく。お殿様もお公家様もいないこの現代で狩野派絵師集団がやっていたスタイルを実現している凄さ。
一見プリントしただけに見える絵画作品も実はとんでもなく手間がかかっていたりするようです。
安藤忠雄展 「挑戦」
安藤忠雄さんの建築が好きです。特に初期の。
装飾を限りなく減らし構成だけで勝負している潔さ。哲学。
そして「日本的」なもの。
かなり影響を受けてしまいました。
ここ2年ばかりの、僕の提案する造園プランにその影響が出ていると思うのですが、いかがでしょう。。。
建築の日本 展。
日本の家 展。
造園屋・庭屋・庭師が集まると「庭は天然素材だけで作るべき」「コンクリートみたいなケミカルなものはできるだけ使うもんじゃない」
皆、口を揃えてそんなことを言う。
その脇で僕はいつも小さくなっていたものですが、この二つの展覧会を観に行ってからは、堂々としていればいいのかな。と。
「コンクリートはナチュラルな素材なんだよ。」
(まー色々意見はあるのは解ります。話し合いましょう。)
インポッシブル・アーキテクチャー 展
これはおもしろかった。
特に一番最後の展示ブースですよ。
ザハ・ハディド氏の新国立競技場が着工目前でなぜ白紙になってしまったのか。
役人と僕ら国民への痛烈な批判。しかと受け止めました。
復興や年金や教育の問題。だいたいそれどころじゃないはずのこの時期に、なぜ東京オリンピックなんてやるの?と思っている僕みたいな連中が数多くいるからいけませんね。
縄文展
「ニッポンの、美の原点。」ってキャプション。
いやーもう原点過ぎて共感できません。
例えば飛鳥時代くらい前までの服装とか建築デザインの美意識は共感できるけど、縄文土器や土偶のデザインは全く異質。
縄文人の美意識。火焔土器の炎の表現。土偶の抽象的な人物表現。現代のどんなアートも敵わないくらいの破壊力を持っている。
それらを目の当たりにした時の。これって最高のアート体験ですよ。
鴻池朋子
「ハンターギャザラー」展
秋田県立近代美術館。
オープニングセレモニーの招待状をいただきましたので、行ってきました。秋田まで!弾丸で。
今回の新作の大作。の一部。
旧作の皮緞帳の大作。さらに手が加えられているとのことです。
展示会場は「庭」的でした。
歩くことで変わる景色。隠れていたものが見えるようになったり。
明るくなったり暗くなったり。上から俯瞰したり、潜ったり、下から見上げたり。覗いたり。
窓の外遥か遠くの奥羽山脈までも取り込んだり。
ただ作品を並べるだけではない展示方法。体験させる展示空間。さすがです。学ばせていただきました。
地球の誕生。躍動する動物たちの身体。古代人の神様に捧げる儀式。地球上で起こり続ける生きると死ぬの営みの瞬間瞬間をタイムワープしながら覗いてきた。そんな気分。楽しかった。
ハンターギャザラー。狩猟採集民という意味だそうで。
昔も今も、これから先の未来も、テクノロジーがどんなに発達しても人は自然から狩猟採集しなければ生きていけないのは変わらない。(コンクリートだってそう)
自然の恵み。尊さ。一方で時として起こる容赦のない無慈悲な自然災害。自然への畏れ。
僕も庭でそんなことを表現できたらな。ただ美しいだけの庭ではなく。
フィリップス・コレクション 展
この展覧会で特に印象的だったのは、空の色彩。それぞれの作家の表現方法は違えども。
それを観て湧き上がるのは共通の感情。
なんとも言えないピンクのような、オレンジのような、陽が傾き始めた時間の空の色。それに照らされた町並み。登場人物。
僕の家の近くの山の斜面に造成された住宅街でも1度か2度か、同じような色彩の光景に遭遇したことがあります。
あの空の色を、地中海沿いでは毎日のように見ることができるのでしょうか。
強烈に憧れてしまう。行ってみたいな。
印象派の絵は良いですね。
例えば肌の色を肌色(今の絵の具では肌色というのは無いらしいですが)で塗らないのが良い。
果てしなく自由。
その点、庭は不自由だなぁ。
限られた敷地、材料、工期、予算。そもそも植物を扱っている時点で。。。そもそも商売ですから。。。
その不自由さ、制約があるからこその面白さもかなりありますけどね。
僕のアイドル。
アリス=紗良・オット。
そのリサイタルへ。
アンコールに何度も応えた後、疲れていたでしょうにサイン会を開いていただいて。
天使過ぎるにもほどがある!
♡
その様子をインスタに投稿したら・・・
アリスさん本人から「いいね!」いただきました!!!!!
ピアノはもともとピアノフォルテという名前の楽器だったそうです。
弱音から大きい音まで鳴らすことができる楽器。だからピアノフォルテ。
発明された当時としては画期的な鍵盤楽器だったそうです。
しかしなぜ今はピアノと呼ぶのか。
それは、より美しい弱音が鳴らせる楽器だからなんじゃないかなー。と勝手に思っています。
そしてその弱音の表現力こそピアノの上手下手を決める重要な基準だと思っています。
アリス=紗良・オットさんの弾くピアノは弱音の響きが繊細で美しい・・・
ピアノ教室通い始めて4年目。
やはりガチのクラシックが弾きたくなってしまいまして。
クラシック弾けるようになるには兎にも角にも「ツェルニー」をやっつけないといけないとのことなので。始めました。
1番〜100番まであるので道のりは長く苦しい。死ぬまでに終えられるのか?
発表会に向けて。
ベートーベンの「悲愴 第二楽章」練習中です。
今のところ、ただ弾くだけならなんとか弾けますが、人を感動させるには程遠い。
どうやって弾いたらいいのか悩んでいます。
僕はただの造園屋のおじさんですが、一体どこへ向かっているんでしょうね〜w
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グンマーの新井様邸。
そうです。要するに実家です。
ちょっとした土地があり。
父から庭を作ってくれとの要望。
よそで畑を借りて野菜を作っている父なので、庭じゃなくて畑にした方が良いと提案したのですが。
どうしても庭がいい。とのことでしたので庭を作らせてもらうことになりました。
身内の庭ですからね。せっかくなので普段できないことを、奇をてらってみたいと思います。
まずは悪い土を10m3出して榛名の良い黒土を20m3ほど入れ、ざっくりと築山を作ってみます。
図面なんてありません。
(榛名の黒土。無数の小さい軽石が入っているので黒土ながら透水性があり良い土ですね。)
在庫の巨大な水鉢と踏石を置いてみる。
背景として生け垣にマサキを植え、ゴロゴロした安山岩を入れてみる。
巨大な水鉢の据え付けは、水のしたたり落ちる景色が最も素敵な角度に据え付けたかったのでそれだけで1時間以上かかりました。
掘削時に地中からコンクリート製のひび割れた側溝が出てきたので筧にしてみました。
在庫のモミの木を使います。
やはりモミの木は良い。端正な姿。濃い緑色。
そしてモミは一本ではなく大きさの違った複数本で組むとなおさら良いです。
ただの築山でもいいのですが、実家の庭なので奇をてらってみます。
やってみたかった鉄筋での土留めに挑戦。
「シガラミ」という大昔からある土留め工法を、本来は竹でやるのですが代わりに鉄筋でやるという。
でもアールがキツ過ぎて失敗・・・
これならどうでしょう。
まさに鉄シガラミ。
新たな鋼材との出会い。良い感じに鉄シガラミできました。
この鋼材での鉄シガラミは、僕が世界初なんじゃないかなぁ。
水鉢の周りには低木を植えまくる。
モミノキ林の先にある「秘密の花園」的な。です。
普段はギュウギュウに植栽しない派の僕ですが。これも新たな試み。
数か月後の春。ダイカンドラの種を蒔いてみる。
ヒメツルニチニチソウも。
ダイカンドラとともに茂り地面を覆いつくしてほしい。
さらに数か月後。冬。
錆びた鉄シガラミ。茂ってきたダイカンドラ。
ラピュタ感。
良い感じです!
新感覚の「侘び寂び」をこの庭に発見しましたよ。
ヒメツルニチニチソウが茂ったらもっと良くなりそうです。
いつかまた写真をアップしたいですね。
図面のない行き当たりばったりの造園工事でしたが何とかなりましたw
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お蕎麦屋さんの庭、完了いたしました。
施工中のブログは→http://oyakata.zoen-arai.com/?eid=192
珠玉の料理と蕎麦を食べに来た人の、気分を盛り上げる「前菜」のような庭。になってもらえたら・・・。
ダイスギは幾何学的に、等間隔に植えています。「ダイスギ」は人間の都合で作った木なので。
その人工的なダイスギ林の間から実生で生えたモミジが自由奔放に枝を伸ばす・・・。
「人工」と「自然」を対比することで、より自然の造形の面白さを際立たせる狙いです。
植栽する樹木・下草の種類はできるだけ減らしました。
こちらのお店で食べることができる洗練された料理に影響を受けまして。
見返りの景。
従業員用の通用口。日々の打ち水やメンテナンスがしやすいように。こういうところも大事だと思ってます。
原生林、里山、禅の庭、浄土の庭、財閥の庭。庭の表現は様々あるようですが、
「山間部に暮らす中で、住居の周りに必然的に生まれたニワ」のイメージの庭。
京都鷹峯にありそうな景色かもしれません。
「切らぬウメ」
「井戸の脇にウメを植えると井戸水が美味しくなる。」
雨が降りウメの枝を伝った雨水が井戸に落ちると井戸水が美味しくなる。
なんの科学的根拠もない言い伝えですが、井戸の脇にはウメが似合います。(独断と偏見)
清らかな水がこんこんと湧き出ています。
美味しい蕎麦には美味しい水が必要不可欠ですからね。
もちろん湧き水ではなく水道水をポンプで循環しているのですが。美味しい水を使っていますという暗示です。
実際にこちらでいただけるお蕎麦に使っている水は、不純物を99.9%除去した水を使用しているとのことです。
この竹垣は造園あら井のオリジナルです。
竹垣の間に普通あるべきはずの柱が見えません。柱がないとリズムが生まれないので、なんていうか時間が止まっているかのような佇まいです。
ここでお庭はおしまい。
この景色の向かいに暖簾があります。
暖簾をくぐり、店内に入っていだくと、窓の外に良い景色が広がってるんです。
それは、来店してからのお楽しみということで。
竹垣を高くしてあえて周りの景色を遮断しているのも理由があります。
蕎麦料理 すみや
埼玉県入間郡毛呂山町大類604-5
ご来店お待ちしております。
施工中のブログは→http://oyakata.zoen-arai.com/?eid=192
施工後2年経過の写真です↓
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お蕎麦屋さんのお庭を作らせていただきました。
埼玉県毛呂山町の「蕎麦料理すみや」というお店です。
県内・近県の蕎麦愛好家の間ではすでにご存じの方も多いと思います。
初めてのお打ち合わせでお伺いした際に思ったこと。
シンプルでスッキリした作りの建物はただの蕎麦屋さんではないことが分かります。(蕎麦屋さんというと古民家風の店舗が多いですよね)
既にアプローチだけは作ってありました。良い仕事してありましたのでこのまま活かしたい。
そして何よりも、建物の南側に広がる店所有の梅林に感動しました。(写真は開花シーズンのもの)
「サクラ切るバカ。ウメ切らぬアホ。」大昔から言いますが、
「切らぬウメ。」、、、カッコイイな!
その中でも「これは!」という一本。
もしこの大きさの、この雰囲気を纏ったウメを材料屋さんで買ってきて植えたなら結構なお値段になってしまいます(ていうかこんな木なかなか見つからないでしょう)。
これを使わない手はありません。
また、お品書きを拝見したところお蕎麦屋さんというよりも料亭の内容でした。
(実際に店主は料亭と蕎麦屋さんで修行されています。)
店主との話し合いはとんとん拍子に進み。(ありがとうございます。)
着工です。
まずはウメを掘ります。
既に葉が展開し始めてるし。でも大丈夫。ウメだから(汗)。
移植です。
40mほどの移動でしたが3トンありましたので持ち合わせの道具だけでは苦労しました。
体力と気力をすり減らしながら一日がかりでどうにか植えつけました。
やっぱでかい木はオーラがあります。ちなみに樹齢は40〜50年とのことです。
客土して築山を作りました。
石組み。
植木の植栽。洒脱な枝ぶりの山採りのモミジを。
塀に着手です。
造園あら井オリジナルの塀を50mほど作ります。
これは!?
ケミカルブラザーズ!
高校の同級生(?群峰園)のダイスギも入りました。
竹林から竹の伐り出し・洗い・加工も進めます。
野溶接。
きつい体勢の溶接・・・。
鋼材の柱に防腐剤を塗り。木材を取り付けました。
塀の内側と外側ではデザインが違うのですが、外側はシンプルな板塀です。
外側の木工事部分はこの建築を設計施工された大工さんにお願いしました。
内側はこんな感じで鋼材丸棒に竹を編んでいきます。
この井筒。
8年前に僕が京都での修行を切り上げて、京都を経つ直前に、古道具屋さんで一目惚れして購入した井筒なんです。
それを納めさせていただきました。
この井筒を使う日を夢にまで見ていました。ついにこの日が来ようとは。
「大徳寺型」という井筒です。材質は江州御影石です。
見た目はシンプルですが、若干それぞれの板石が同じ角度で内側に傾いています。合端がピタリ合うように加工するのはまさに職人技です。
据え付けてみたらこの場所にもバッチリ納まりました。
水がこんこんと湧き、溢れ出る仕組みに仕上げます。
電燈の設置・配線も今回は造園あら井でさせていただきました。
ローボルトなので電気工事士免許がなくても施工可能な製品です。
試しに点けてみる。
造園屋が自分で施工できるのだから自由に配置できて良いですね。
明るさも明る過ぎず庭の照明としてはバッチリです。
仕上げにシャキッシャキの白菜を植えて。(ウソです)
景石に合った色のグリ石と砂利を敷いて。
完了です。
続く。
]]>燈籠を据え付けました。
燈籠を据え付ける仕事が激減するこのご時世に。
僕なんて独立してから燈籠をお納めしたのは、恥ずかしながら今回が初めてでした。
燈籠だけでいいのでは。と提案していましたがお施主様たっての希望で水鉢も据え付けました。
合わせて筧も。
燈籠は「柚ノ木燈籠」。
本歌は奈良の春日大社にあります。
(↓コレです。僕が撮った写真。22歳くらいの京都修行時代初期。石造美術の勉強目的でスクーターで奈良に通ったなぁ。。。あの頃は熱心だったなぁ。。。)
建物を見て、お施主様の好みを考えて僕が選ばせていただきました。
水鉢は京都竜安寺の「吾唯足知」を写したもの。ちょっと豪華に台付きです。
筧も付けて排水設備を整えて、水がぽたぽた落ちるようにしてあります。
(本歌の写真はありません。竜安寺に据えられているものもレプリカです。寺務員さんに聞くと本物は奥にしまってあるとのことでした。)
周囲の植栽はクロチクとキチジョウソウの間違いないコンビで。
この燈籠と水鉢は茨城真壁の加藤さんに彫っていただきました。
独立して間もなくの、まだ仕事がなくてヒマな時に関東の燈籠屋さんの仕事を知りたくて真壁中の燈籠屋さんを見学させていただきました。
その時にお伺いし話を聞かせていただいた加藤石材さん。
あれから8年。
やっとホンモノの燈籠を納めることができる造園屋になれたことが嬉しい!
加藤さんからご自身のPR資料を沢山頂いたんですが、スキャンするのメンドクサイのでこのくらいでw
とにかく天皇陛下から勲章頂いているくらい凄い方なんです。
しかも材料は、真壁の桜川御影石のなかでも大変希少な「アラメ」という部分で造っていただくという。
このひと固まりが加藤さん所有の最後の一個。このタイミングで僕が訪れたこと。「縁」を感じずにはいられません。
加藤さんも気合が入ったようで、竿の裏に自分の銘を彫らせて欲しいとのお願いがありました。もちろん二つ返事で快諾しました。
黒雲母の一つ一つが大きいので「岩」感があります。
このアラメで作られた燈籠は人の手で加工されてもなお「岩」であったことを訴えてくる。
そんな気がします。
(これは加藤さんの店に並んでいた三月堂型)
石造品は腐りません。数百年持ちます。
時間が経てば古色を帯びてさらに良くなります。
数代にわたって一つの石造美術を受け継ぎ愛でるなんて、この使い捨ての時代に素敵じゃあないですか。
末永く大事にしていただきたいです。
ありがとうございました。
]]>
元々、植木のお手入れで出入りさせていただいていたお庭に池と流れを作らせていただくことになりました。。
作業前
作業中
まずはお庭の解体から。
既存の石も木も全て再利用するので仮の場所に移動・移植します。
既存の植木の中で一番大きいクロマツの移植。と
既存の景石の中で一番大きい石の据え付け。
この時点で位置を間違えちゃうと池も流れもイメージしている形ではなくなってしまうので慎重に・・・
クロマツは元の場所から1mほどしか動かしていませんがキッチリ根巻きしました。たとえ1mでも手を抜けません。
排水とオーバーフローの配管。地味だけど大事な仕事です。
漏水チェックを済ませて。
池の護岸の石組みは水を抜かずにやりました。水面から出る石の一番良い表情を見ながら仕事したかったので。
まだ3月。水遊びには早すぎた((+_+))
既存のアルミフェンスの一部解体&コンクリートブロック積み。築山の土留めになります。
築山を作り。次は流れの石組みです。
さすがに水を流しながらの仕事はできないのでぶっつけ本番です。
上流から下流にかけてより変化が出るように、より多彩な音が出るようにイメージしながら。
・・・いつかの山中で出会った名もなき川に思いを馳せながら手を動かしました。
これはいつかの山中で出会った川の写真。
日本の山にある無数の名もなき川。標高700mくらいの山でも登ればこのような素敵な川にいくらでも出会えます。
その一つ一つの造形に造園屋の僕はため息が出るばかりです。
こんな風に石を組んでみろって言われても、できるわけないから。
どうにか組み終え。
一気に撒き石と植栽をして仕上げです。
園路にはあえて粒の大きい砂利を敷きました。少々歩きにくいほうが山道っぽくなるかと思い。
お施主様、夜の景色も楽しみたいとのことで急遽、電燈を設置することになり。
竹林で伐った竹を加工して。
こういうのはシンプルに。余計なことはしないのが一番だと思っています。
こんな仕上がり。
夜の景色です。iPhoneで撮ったら光が二重で写ってしまいました。
流れの様子。
短い距離の流れですが変化に富んだ景色を作れたのではないでしょうか。
流れの音に大変こだわりのあるお施主様ですが大いに喜んで頂きました。
流れの石ころの一部はモルタルで固定していないので組み替えることが可能です。
お施主様ご自身で組み替えては音の変化を楽しんでおられるようです。
]]>
少し前ですが、
小田原・熱海へ研修旅行へ行ってきました。
造園屋の仲間と。
ちなみに僕が企画&幹事です(笑)
一日目は昨年秋にオープンした江之浦測候所へ。
入場する前にいきなりこれですよ。
古材の板石、、、
何が凄いかってコンクリートこびり着いたまま据え付けちゃってます。
好きな造園資材なので僕も100枚以上所有しているのですが。普通、古材の板石に着いたコンクリートやアスファルトやペンキは汚れと見なし綺麗に剥がしてから使うのものです、、、
それなのに。杉本博司氏さすがです。
この付着したコンクリートも板石に刻まれた歴史ということなのでしょう。
新しいの価値観の「侘び寂び」とか「もののあはれ」ということでしょうか。
鉄。 良い。
改めて。
どうやって割ったんだろう?
石だけでなくコンクリートのハツリ仕上げも多用されています。
延々と続くハツリ作業を僕も経験したことがありますが騒音と振動と粉塵で大変な作業なんです。
経験しているとより江之浦測候所の「遺跡感」が迫ってきます。
直前に降った雨のせいで溶け始めた氷のよう。
真面目に意見を交換しながら。
時にふざけながら。
海景、、、
とんでもない加工量・・・(汗)
皆、思い思いに舐めまわすように観察してました。
この石の扱い。遺跡的な。
良い!
茶室「雨聴天」
純粋な作りの茶室に屋根は錆びたトタン板。
雨の日の室内に響く雨音を想像する・・・
千利休も今生きていたら採用していたかも・・・(!?)
改めて鉄筋コンクリートって凄いよね。って。
洗い出し。なんか途中から洗い具合が変わってましたけど、
海景シリーズ。
大好き。所有したいなぁ。
鉄の扉の表面処理がカッコ良過ぎました。
石舞台古墳的な。
弊社石材置き場にもこれに似た景色があります(笑)
ヘイ、ブラザー。
石の扱い方。鉄やガラスやコンクリート。その他の素材の扱い方。みたて。
大胆さ。自由さ。
でも決して奇をてらうことなく。
日本と世界の文化や伝統的な意匠を深く掘り下げて、その延長線上でデザインしているので説得力があります。
石も木材も鉄もコンクリートも扱う造園屋の僕たちには杉本博司の仕事。分かりやすく大変面白かったです。
研修を終え、昼過ぎからは小田原港でとれとれの海鮮を買い、江之浦測候所近くのキャンプ場で懇親会です(笑)
宴は夜遅くまで続きました。
二日目。
腹ごしらえをして
MOA美術館へ。
漆の扉。
よく解らなかったけど、大変な手間がかかっているらしい・・・。
この鉄板の表面処理も良いですね。
ここもまた昨年、杉本博司氏が内装空間をリニューアルした場所です。
主に展示室の内装なので写真はほとんどありませんが。
ああ楽しかった。
一人で行って自分のペースで観るのもいいけど、複数人で行ってそれぞれの意見を交わしながらというのも良いです。
また何か企画したいですね〜
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明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりありがとうございました。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
独立して7年目。
初めて門松のご依頼を承りました。
変わったの作って!とのことでしたので。
シンプルに。大胆に。無骨に。
この門構えに合うように。
大津磨きの壁を背景に。凛としてかっこいい!(自画自賛)
門松の起源と歴史をもう一度勉強し直して。僕なりの一つの答えです。
「松」・「竹」・「梅」のウメは、白砂の上に表現してみました。心憎い演出。(自画自賛!)
土台の鉄椀は、盃に見立てています。
シンプルだからこそ材料と寸法にはこだわりました。
竹は竹林から。
マツは野木から。大量に採取した中から選んで使いました。
ついでに。
スタンダードな門松も作ってみる。
久しぶり過ぎてヘタクソですが来年(今年か)はもう少しマシなのができると思います。
次回もシンプルさだけは貫きたい。
二十代前半の頃、お伊勢さんへお参りした際。
お社。杉林。ゴロ太敷き。極めてシンプルなそれらの造形の中に神様の存在を感じることができた気がして。
初めての感覚に大変感動したのを覚えています。
あの場所で味わった荘厳な雰囲気。静寂の中でしばし呆然と立ち尽くしてしまった時間。そのほんのひとかけらでも門松の中に表現できたらいいなぁと。
門松は神様をお迎えする際の依り代なのだから。
ナンテンやらウメの枝やら葉ボタンやらを飾り付けたような派手なものはここでは必要ありませんでした。
今年も近所の高麗神社にてご祈祷していただき新しい御札を頂戴いたしました。
残念ながら都合が合わず毎年恒例の「木魂式」には今年は出席できず。
どうか本年も安全に仕事に励めますように。
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独立して今年で7年目。
マツのお手入れのご依頼がずいぶん増えました。
クロマツシリーズ。
クロマツ、かっこいいぜ〜〜〜〜〜
クロマツのように手入れをすることで劇的にカッコ良くなる植木は他にはありません。
クロマツの場合は、ハサミを入れて枝を整理した後、古葉をむしります。
一本も残さず、キレイにむしり取ります。
古葉をむしる。
僕ら造園屋は当たり前のように、普通にやっていることですが、
そんな剪定の仕方は世界中を見ても日本だけらしいですね。
一本の木に対しそこまで手をかける。病的なほどに。
確かに変です。(理にかなっているんですけどね)
それが普通に、あちこちの家の庭に植えてあるって。
オモシロイ国です。
しかしです。
一芽一芽の古葉をむしるわけですから、ずいぶん手間がかかります。他の植木とは比べ物にならないくらい。
マツの手入れの値段は高いんです。
なのでマツを新規で植えることは滅多にありません。
下のマツを見てください。
これはテキトーにざっくりと古葉をむしり、仕上げたクロマツです。
丁寧に古葉をむしる方法に比べて5分の1くらいの作業時間で仕上げました。
それでもけっこう綺麗に見えますよね。
うまく要点をおさえて剪定すれば、手間をかけなくてもある程度カッコイイクロマツに仕上げることができるんです。
もちろん近くでよく見れば、丁寧に古葉をむしったマツの方が断然良いですけど。
造園あら井では予算に応じてクロマツ剪定いたします。
ご依頼お待ちしております。
アカマツシリーズ。
これはテンモクショウという品種のアカマツです。こういった変わりダネも面白い。
やっぱアカマツ。幹の赤さがオシャレですね〜
造園あら井の場合、アカマツの古葉はむしりません。(むしる造園屋もありますが)
古葉をむしったことをきっかけに樹勢が下ることがあるからです。
なので剪定の手間は割とかかりません。
マツは現代的ではないと思われるかもしれませんが、そんなことありません。
和モダンにはもちろん。エッジの効いた建築にも。
アカマツは「雑木の庭」「里山風の庭」にバッチリ合います。
いかがでしょう!?
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毎年恒例。手入れ三昧の日々が続いています。
10月半ばから12月末までほぼ休日なしで走り回ります。
「庭作りも手入れも、おんなじことなんやで。」
僕が修行中に言われた言葉。
もうかれこれ15年以上。その言葉を噛みしめ毎日現場に出て仕事をしています。
植木を剪定することを「維持管理」「メンテナンス」と呼ぶ造園屋・植木屋・庭師が多いですが、
違うと思っています。
あくまでも「手入れ」。
「手入れ」というのは一年で伸びた分を縮めるだけの剪定じゃなくて、
毎年、手を入れることで少しずつ庭をよりカッコイイかたちに近づけていくこと。
と、理解しています。
この生垣はお客様と相談した結果、25cmほど低くしました。
高すぎる生垣は防犯上良くありませんし圧迫感が出たりします。目隠しの機能を果たせる最低限の高さに設定し直しました。
この生垣は弊社が手入れし始めた6年前はグニャグニャでしたが、真っすぐになってきました。
遊び心でこんな形の生垣にしてみたり。 (藤森照信氏的な?)
ただただ一生懸命刈り込むのではなく。たとえサツキの刈り込みでもより綺麗な流線形になるように少しずつ修正していきます。
今まで刈り込まれていたモッコク(左の植木)はハサミ透かしで仕上げました。
モッコクは透かしの方が断然良いですしハマキムシも付きにくいです。
マンションに植栽されたクスノキは強く剪定し、一年おきの手入れで済むようにしました。
予算に応じて手入れの仕方も変えたりもします。
これ以上大きくしたくないキンモクセイは、天端の葉がなくなるくらい強く刈り込みました。
これらのモミジは限られた広さの敷地に植えられていますが、やわらかい枝ぶりを残しつつ大きくなり過ぎないことを目指して手入れしています。
モミジのやわらかさを残しつつ大きさをコントロールするのは特に難しいことです。
僕が今、手入れの手法で最も興味のある樹種はモミジです。
毎年、剪定の仕方を変え、枝の伸び方を研究しています。(お客様が見ても分からないほどです)
最近やっと、少しづつ良い結果が出つつありますが、まだまだ実験が必要です。
「手入れも庭作りも同じこと。」
10年後、20年後、30年後・・・。
もっと庭が良くなるように。日々考えながら、感じながら仕事しています。
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何だか今年は仲間や修行時代の先輩の応援(お手伝い)に行くことが増えまして。
千葉。
宇都宮
八ヶ岳
京都
さいたま
皆、京都修行時代に出会い、それからのお付き合い。
今もこうしてご縁が続き、声をかけていただけることに感謝しています。
皆同じ造園業ですが全くと言っていいほど仕事のスタイルは違います。
大規模造園工事の現場監督業を一人で請け負って一人で完成させちゃう人。
鉄などモダンな素材を積極的に取り入れて新しい庭の形を模索する人。
造園屋本位ではなく建築設計に寄り添い庭作りする人。
美術館博物館に展示されるレベルの一品モノの石材を使い茶庭を作る人。
一口に造園といってもこんなに振れ幅があるんですね。再確認しました。
かつては同じような環境で修行をしていても、自分の興味とか勉強の仕方とか、人との出会いでこうも変わるのかと。
造園あら井ではあまり経験できない類の仕事に携わることができて大変オモシロかったです。
イロイロな仕事を体験し、若い衆にとっても良い経験になっているはず。
ところで出張の夜といえばやっぱり。飲みにケーションですねw
日中は一生懸命仕事して、夜はたらふく食べて飲む。そのスタイルは共通ですw
お疲れ様でした。
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もう三か月も前の話なのですが。(・・・ブログ放置してました(^^;))
ピアノの発表会に出ました。
長女が習い始めたのを機に、僕もピアノを習い始めたのが33歳。
3年目に入り。いつかは出たいと思っていた発表会に今回いよいよ出させていただきました。
写真は僕じゃありません。
僕の前に弾いた男子高校生です。
参加者の中で僕以外にオッサンは一人もいないわけで。
数十人の子供と数人の大人の女性の中に、オッサン一人が混じっている。そんな状況です。
でも恥ずかしいなんて感覚は微塵もありません。
こっちは必死です。
本番直前は、緊張しすぎて吐き気がするほどです。
そうなることは分かっていました。もともと緊張しいの僕ですから。
あれよあれよと僕の出番。
弾いている間は無我夢中です。
7分間のステージですが、アッという間に終わってしまいました。
指の震えが止まらなかった。たくさん間違えた気がする。
でもとても気持ちよく弾けました。
カワイの「SK-EX」という2000万円くらいするピアノだったのですが、マットな感じの鍵盤の感触。深い音色。
自分で弾きながらとろけそうになる感じ。
高いピアノというのはこういうことなんだなって。
一応、参加者全員に、3人の偉い先生方が評価をしてくれます。そして僕の評価はというと、なんと
最高位の「ブラボー3つ」いただきました!
まさかの。です。
間違えても、心を込めて丁寧に。
間とか音の強弱に注意して「僕なりに」弾くことが大切なんだなって。
ロックの世界じゃ「ヘタウマ」という概念がありますが。ピアノの世界も同じなんだなって。
またピアノの音作りには庭作りにも通じるところがたくさんあることにも気づいたり。
俄然面白くなってきた。
来年も出ようと思います。
今回は久石譲のワンサマーズデイという曲でした。
どうしても弾きたかった曲でした。
来年はどうしようかなー
他にも弾きたい曲は山ほどありますが、
やっぱり最終的にはクラシックを弾きたいのでこれからはツェルニーとか基礎からやり直したいです。
最後に僕と娘がお世話になっている先生と一枚。
キャバ嬢とボーイではありませんw
キャバクラじゃなくて飯能市民会館ですw
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まずは家の裏側の駐車場から着工しました。
鉄平石小端積みの土留めです。
駐車場の舗装は「生コン洗い出し」仕上げです。
表の造園・外構工事に着工。
実は微妙にムクリをつけています。
排水性が良くなるし、歩いた時に柔らかみを感じることができる気がして。
こちらも「生コン洗い出し」仕上げです。
材料の加工。
構造物を据え付けていきます。
植木も植えて、その茂った中に駐車するので配置に気を遣います。
給水・雨水・汚水のパイプをうまくかわしながら。
浄化槽もギリギリのところでかわしながら構造物と植木を納めていきます。
各種設備があることでデザインが制約されてしまうのは住宅造園の宿命ですが、
制約の中で知恵を絞って納めていくのは難しいけど面白いところでもあります。
植栽も大詰め。
作業完了です。
アイアンウッドと鉄のパーゴラには「グンセイ」という名のバラをワッサワサに這わせます。
5年後には「森」になっているのが僕には想像できます。
郵便屋さんの動線も考えながら。
浄化槽は砂利を敷いて隠しています。
土の部分を減らしたり、剪定でコントロールしやすい樹種を選んだり。
ローメンテナンスの庭を目指しています。
裏側駐車場はこんな感じです。
ありがとうございました!
]]>コンクリート土間の仕上げに、
「コンクリート洗い出し」
という工法があります。
生コンクリートを打設した後に、
表面を洗い流し、コンクリートの中に入っている骨材(砂利)を浮かび上がらせる工法です。
仕上りはこんな感じです。
もう一回。
生コンクリート打設後に!(今度は少しムクらせてます。)
表面を洗い、中に入っている骨材(砂利)を浮かび上がらせる工法です!
こんな感じ。
こちらは大きめの砂利を後から追加したバージョン。
コンクリート土間の表面の仕上げといえば、金ゴテでツルツルに仕上げる「金ゴテ仕上げ」、
刷毛を引いてザラザラにする「刷毛びき仕上げ」がポピュラーですが。
この「コンクリート洗い出し仕上げ」
おススメです。
生コンクリートに入っている砂利は日本全国津々浦々、地方によって産地が違うため、色や形が違うのですが、
埼玉県周辺では青梅の採石場で採れた砂利(硬質砂岩という石質です)が入っています。
コンクリート洗い出し表面の砕石が浮き出た表情は、石材・木材・鉄・土などと同じようにコンクリートもまた地球から削り取り頂いたものだということを思い出させてくれます。
現代の都市の暮らしは不自由なく快適で。
埃にまみれなくても汗をかかなくても、食べ物もパソコンも車も家も手に入るし道路もビルも橋も利用できます。
でも、あらゆる物の原材料は地球の限りある資源だったりします。
それを採取している末端の現場、人と自然の対峙する採石場の景色は今も昔も変わらない荒々しさがあります。
採石場の荒々しさが生コンクリートの中には入っています。それを表面に出してあげるのが生コン洗い出しです。
小難しいことはおいといて。
生コン洗い出し。
単純にカッコイイのです。
庭の中のアイテム「植物」「石」にはもちろん。鉄、材木、ガラスなど素材感のある資材であれば何にでも合う気がします。
雨に濡れても滑りにくいですし、年数が経ってから発生するコンクリ特有のアクの汚れも目立ちにくいです。
もちろん最高級の仕上げである石貼りのカッコ良さには負けますが、施工費は三分の一程度なので。
僕なりに工夫して、綺麗に仕上げることができるようになってきました。
コンクリート洗い出し。いかがでしょうか。
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コテコテの日本庭園を雑木の庭に変えてほしいとのご依頼でした。
作業前
の写真は撮り忘れ。
作業中
まずはお清めをしてからマツやモミジなど不要になった植木の抜根から。
こんな感じ。
既存のプラスチックの建仁寺垣。雪見燈籠。三波石。みかんの木。
は残してほしいとのことなので。
雑木の庭には合わないアイテムですが、処分せずに再利用します。
イメージ通りの植木を数週間前から少しずつ集めていました。
みかんの木は剪定して小さくして。石は組み直して。植栽。
作業後
大きいお庭と違って、小さいお庭はお客様の目線が近いので、特に仕上げに気を遣います。
既存のアイテムを生かしつつ上手いこと着地できたのではないかと自画自賛していますっ
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作業前
広い敷地にテキトーに植えられている植木。
実生で生え、大きくなってしまった雑木(ザツボク)。
シルバー人材派遣さんがお手入れしていたらしく
それぞれの植木の枝も絡みあいメチャクチャでした。
家が平屋で敷地も余裕なのに全然、優雅じゃない!
作業中
まずは伐採&剪定して整理しました。
それだけでも少し見えてきた。
園路を作ることを提案いたしました。
ユンボで大雑把に土を移動して。
細かい部分はスコップとジョレンで整形します。
植木畑で数年間スタンバイしていた「ヤエベニシダレ」を嫁がせました。
家の真ん中を貫く廊下の先にある窓。そこから眺めた時に一番カッコ良く見える位置に植えました。
ゴヨウマツも。秩父の石と組み合わせて。
この家に良く似合います。
庭の周囲には生垣を。
お施主様との会話の中で「知覧の庭」というキーワードがあったので、この生垣は大きく育てて連山のような形に仕立てる予定です。
芝貼り&砂利敷き
& 防草シート
作業後
完了です。
園路を作ると同時に築山と島ができます。
築山と島ができると景色に変化が出ます。
園路を廻って散策もできるようになりました。
既存の木を生かしつつ、優雅な雰囲気に近づけたかな。
今後もモミジやマツを足すなど優雅に磨きをかけていく予定です。
芝が芽吹いてきました。
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今年に入り。弊社にとっては少々規模の大きい剪定・伐採現場が続いています。
デキる仲間の助けも借りながら。
昨年11月。クレーンの先にゴンドラを取り付けできるように改良しました。
それまでは
「木に登れば作業できるし、今までずっとそうやってきたし、これからもそんなの要らないよ」
って強がってきたけど、
訂正します。やっぱり便利です。ゴンドラ!
ゴンドラを使っての剪定・伐採のご依頼お待ちしております
もちろんゴンドラを使えない現場のご依頼もお待ちしております!
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月日の流れは早いものです。
つい先日紅白歌合戦観ながらビール飲んでいたと思えば、
関東地方、梅雨入りですって。
現場と事務仕事に追われる毎日で。すっかりブログを放置していました(汗)
僕にとってブログは、庭に対する考えを誰かさんに伝える場所であるとともに、書くことで自分の頭の中を整理する場所でもあり。
WEB上の自分のための絵日記でもあります。
WEB上なのでいつでも読めますし、紛失したり盗られたり燃えてしまうことがありません。
便利です。
なので季節感がありませんが写真を貼っていきます。
長女の入学式。卒業式もこの場所で撮りたい。
撮らせてくれるのかな。すでにこの頃反抗的です・・・
次女の幼稚園入園式。サクラの花びらをかき集めては投げる遊びをひたすらしてました。
無邪気でかわいいな〜
入園式後は恒例の日和田山登山へ。
日頃、おっぱっぴーでヘタレな次女ですが、がんばる姿を見られて感動です!
国立新美術館。
ミュシャ展も
草間彌生展も
一部の作品はケータイのみの撮影が許可されていました。
SNSの普及に伴ってですね。皆が撮ってシェアすれば強力な宣伝になりますもんね。
根津美術館。
十数年前に先輩と訪れて、庭園内の石造物の多さに感動した記憶があります。
建築はリニューアルしましたが、庭がちょっと残念な感じ。十数年前もそうでしたが荒れている印象を受けました。
石造品コレクションは良いのがたくさんあるのに生かしきれていません。費用対効果を考えるとやっていられないのはよく分かります。
・・・って言うのは簡単なんですよね。
GWは「いわむらかずお」さんの絵本の丘美術館へ。
娘らが「14匹シリーズ」の大ファンなのです。
その近所の馬頭広重美術館へも行きました。
隈研吾さんの設計です。
数日前にも根津美術館を見たばかり。
どちらもシンプルで、大胆で。明快です。
日本の伝統的な意匠を、現代の素材と工法で再構築するということでしょうか。
現代的でありながら、日本の意匠がもたらしてくれる陰影がカッコよすぎます。
造園あら井は普段住宅の仕事に係わっています。
こういったパブリックな建築を見ても仕事に生かせることはあまりなさそうですが、興味があるな〜
♪東武ワールドスクウェア♪
新婚旅行で行った場所も!
何が凄いって、樹木の表現が。
樹木は全てホンモノ。
盆栽仕立ての樹木を地植えしているのだから、管理が大変だろうと思います。
入園料高け〜って入る時に思いましたが、出るころには納得です。
高校の同級生とBBQ。
子供が増えて、ずいぶんにぎやかになりました。
このブログを見ると、遊んで暮らしているみたいですがちゃんと仕事してますからね。。。
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被災地観光のついでに。
憧れの、「毛越寺庭園」へ。
庭のお勉強をする者にとっては避けて通れない庭園遺構です。
造園の世界に入り15年。今さらですがやっと行けました〜
毛越寺庭園といえばあまりにも有名なのがこの部分の石組み。
やっぱり、写真たくさん見たからって「見たつもり」になってちゃダメですね。
本物は迫力あります。一石一石組み方に工夫しているのが分かります。
この写真手前に横たわる長い石。この石の使い方ったらもう!です。
平安時代末期に作られたこの石組みも、一周回って前衛的だと感じました。
そして造園屋の僕としてはやはり、「遣水」の部分がテンション上がりました。
その部分だけで写真を100枚近く撮ってしまいました。
「遣水」上流から。
素晴らしい。
渓谷を思わせる景色から始まり。
紆余曲折し、最後は大海に注ぐ。
その様がたまりません。
石を使っての表現力。
川幅が広くなったり狭くなったり。
流れの後半の曲線の優雅さ。
現代の職人が足元にも及ばない凄味が古庭園にはあります。
好きだなぁ古庭園。
3年前に行った奈良の「三条二坊宮跡庭園」も大好きな古庭園です。
その他の部分。
こういった庭が大好きですが、こういった庭を作ろうとは思っていません。
現代の建物には合いませんから。
ただ。
中国から「禅」の文化が入ってくる前までは、日本の庭にはたくさんの草花・花木が植えられていたようです。
石組みの周りにワイルドな花がワサワサ茂っているのを想像すると、絶対にカッコイイ。
その感じなら、現代の庭にも生かせる。建物にも合うって個人的には思ってます。
先日の外構工事では、その感じを出したくて石組みに草花やカラーリーフを絡めました。
数年後の茂った景色を楽しみにしています。
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宮城県石巻と南三陸町に行ってきました。
僕の造園修行時代の先輩が、今は都市計画の仕事をしていて南三陸町の復興整備事業に携わっています。
東京事務所から石巻に出向し1年半。先輩がその間に知り得た震災のこと。復興のこと。地元の人の声。
2泊3日の間、じっくり話ししながら案内していただきました。
ありがとうございました。
震災があったあの日、僕は独立して1か月もたたない頃で、仕事もお金も全くない状態でした。ボランティアに行きたいと思っても、家族3人食べていくのがやっとでしたので行けませんでした。
あれから6年も経ってしまいました。
僕の住んでいる埼玉からそう遠くないのに、被災地にすら行ったことのないことがずっと後ろめたくて。
行ったところで何もできないのかもしれせんが、ただ手を合わせなければ。とずっと思っていました。
日和山山頂。震災時、多くの市民がここに避難し助かったそうです。
雪がちらつく中、津波にのみこまれていく自分の街を見つめ、ただ家族の無事を祈るしかない。
こんな穏やかな日に、その時の絶望感をぼくは想像できない。
海岸沿いに延々と続く真新しい防潮堤。
クロマツの防砂林と防潮堤。
大規模な復興事業。
盛土。盛土。盛土。
盛土工事にともない。日々、めくるめく道路が変わるらしいです。
南三陸さんさん商店街。
隈研吾さんのデザインだそうです。あえて仮設感を残したのだとか。
3月11日、多くの人で賑わっていました。僕も地元の名産のカキを食べたり地ビール飲んだりお土産を沢山買いました。
今は注目され賑わっていますが、この状態をどうやって維持していくのかが課題だそうです。
もちろん僕らが意識して積極的に観光に行くことも大事なのではないかと。
美味しいものいっぱいあります。僕としては特に海苔とカキが美味しかったです。
高野会館と防災庁舎。
高野会館に避難した約300人は助かったそうです。防災庁舎は、職員二十数名が犠牲になられました。
今も防災庁舎を残すべきか取り壊すべきか議論される一方で、この防災庁舎を取り入れた「震災復興祈念公園」の計画が着々と進んでいるようです。
この後、大川小学校にも行きましたが、悲しくて、カメラを向けることはできませんでした。
この出来事を日本は絶対に忘れてはいけません。
今も行方不明の家族を探し続ける人、仮設住宅に暮らす人、生まれ育った故郷に帰れなくなってしまった人。
場所は違いますが収束しない原発。
悲しみは今も続いています。
3.11関連のテレビの特番。今年は少なかったようです。
毎年、各被災地で行われている追悼式に首相がコメントを寄せる恒例が今年はありませんでした。
あの日、テレビの画面に映し出された信じがたい映像を見て、誰もが抱いたいくつもの感情があったはずです。
それを時々思い出して、東北に足を運ばなければと思いました。
観光地も、美味いものもたくさんありますし。
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先日、造園外構工事1件が完了しました。
長野の別荘地に建っていそうな、薪ストーブの煙突が付いたおしゃれな家です。
お客様から直接ご依頼いただきました。
家が建つ前の更地の時点から関わらせていただいたのでじっくり計画することができました。
ご要望をお伺いし、3パターンの外構デザインを提案させていただきました。その中から一つ選んでもらい着工。
重要な構造物を設置するときはお客様に相談して確認をとりながら。新しく湧いた発想にも柔軟に対応して。
お客様と作ったこだわりの外構です。
作業中
今回はグラインダーを使わずに割ってみました。切断跡が見えてしまう使い方だったので。
玄関までの距離が4mしかありませんが、より長く見えるように階段はカーブさせて。しかも手前⇒奥へ行くにしたがって幅を細くしていってます。遠近法です。
カーブしてるけど実はまっすぐ歩いていけます。歩きやすさも考えて。
人気のボビポスト。門柱には六方石を使用しました。
景石の石組みと植栽。
下草を植えて、砂利を敷いたら完了です。
作業後
ローメンテナンスを目指しました。
ローメンテナンスというと、掃除がしやすいて、剪定がしやすくて、草が生えにくい庭。と思われるかもしれません。
それもそうなんですが、僕が提案するのは掃除が行き届いていなくても、草が少し生えていても、植木が少し茂っていても、なんかいい感じの景色になっている。っていう庭(外構)。
「考え方・見方を変えて作る」というのが僕の提案するローメンテナンスな庭です。
良い庭。綺麗な庭といえば京都のお寺の庭のような。お手入れが行き届いていて落ち葉が一枚も落ちていないような、草が一本も生えていないようなお庭。
青々したコケに、よく手入れされたアラカシの木漏れ日が写る、、、みたいな景色は高い精神性を感じることができて素晴らしいと思うし僕も大好きですが、個人の住宅の庭でそれを求めるのはちょっと違うと思っています。
何かと忙しい現代人です。ほどよい庭仕事(草引き・掃除)は楽しいですが、仕事量が多過ぎて生活に支障が出るほどでは庭を持つ意味が本末転倒です。
山に登り、自然の作り出す景色を見て誰もが綺麗だなぁと思うものですが、その景色の中には雑草も生えているし落ち葉も落ちています。
なぜ庭になると落ち葉も雑草も邪魔者になってしまうのでしょうか。
考え方、見方を変えて、そして庭(外構)の構造をちょっと変えると解決できることがあると思っています。
庭の手入れ・剪定・造園を一千件近くやってきたからこそ分かることがあります。
このお庭に関して言えば、
地面は黒ボク石・下草で覆っていてます。まだ小さいですが低木が茂ってくるので草はあまり生えません。
落ち葉が似合う庭なのでそこまで綺麗に掃除しなくていいです。
景石の上っ面だけ箒で掃いてもらえればいいです。ただ、石貼りのアプローチだけは綺麗にしてください。
植木は仕立物・刈り込み物は1本も植えていないので少し伸びたくらいではそんなに変わりません。むちゃくちゃに伸びる植木も植えていません。
その他にもいくつかアイディアがあるのですが、それは造園あら井にご依頼していただいたお客様の特典ということで。
もちろんノーメンテナンスではなくてローメンテナンスなので多少の掃除と草引きは必要です。年に1度の僕らプロの造園屋の手入れも必要です。
まだ試行錯誤な部分もありますが、責任をもって作らせていただいてます。
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明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
年が明けてすでに20日以上過ぎていますが・・・。
気付けばブログ自体9月以来の更新です。
月日が経つのは早いですね。
先ほど確認しましたが、その間にも毎月3000以上のアクセスをいただいておりました。
恐縮です。
怠けていたわけではなく、それどころか相変わらずな毎日で。
基本休みナシ。明るいうちは現場で泥だらけになり。夜も平均睡眠3時間ほどで図面書いたり見積書や請求書作ったりで。
ブログに書きとめたいことは山ほどあって。でもあり過ぎて。何から書こうか考えていたらタイミングを逃してしまって。
そもそも誰かのために書いているブログでもないですが。
今年の抱負です。
「まさかの!」な出来事が多かった2016年。
まさかの!車上荒らし。(仕事中、車から目を離した隙にバッグごと全部盗まれる)
まさかの!インターネットショッピング詐欺。(注文したのに商品届かない)
まさかの!造園工事したのに代金支払ってもらえず。(信じられない・・・)
まさかの!十数年間連続の無違反ゴールドカード記録ストップ。(あれは運だよね・・・)
思い返すと厄年か?と疑うくらいイロイロありました。
20代の僕だったらキレたりフテ腐れてたりしていただろうけど。
でも35歳の今の僕は不思議と何があってもどうってことなかったな。アホな顔してヘラヘラしてました。
商売してたらそりゃイロイロありますがな。
といっても平穏無事が何よりです。
なので今年の抱負はズバリ「平穏無事」。
地味ぃ〜でいいから事故なくケガなく病気なく。毎日仕事に打ち込められたら最高です。
そんな感じで2017年。始まってます!
恒例の造園系新年会。
本年の仕事はじめ。
筧製作。
筧・尺台・柄杓の交換。
東京植木屋&左官屋系新年会。木の魂を鎮める木魂式。
毎年恒例。高麗神社でもご祈祷していただきました。
伐採。
伐採。伐採。
昨年12月に着工した外構&造園も。あと少し。
そうそう。2016年「まさかの!」他にもありました。
ずっとガラケー派でしたがiPhoneに変えました。
そしてインスタグラムはじめました。(正確には5年ほど前にちょこっとやっていたので再開しました)
ホームページのインスタのタグからジャンプして見ることができます。
ブログは止まっていましたが、こちらは毎日更新しています。
#造園あら井日報 で、とある造園屋さんの日々のリアルが垣間見れるのではないかと。 |ω・)
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玄関前の階段を作り替えました。
作業前
見た目は雰囲気があって良いけど、とにかく歩きにくい階段でした。
踏み石の鉄平石がグラグラしていて危ない。お客様も転んで流血したそうです。
作業中
まずは解体。
テキトーな施工なので簡単に壊せました。
既存のハナミズキがちょっとだけ干渉するのでちょっとだけ移動して。
床掘り。
歩きやすさ重視なのでコンクリートブロックで躯体を作りました。
見た目も大事なので玄関前に貼ってあるものと同じ素材の鉄平石で化粧しました。
洗い出し。
作業後
歩きやすさ重視の階段。踏面と蹴上の寸法のバランスとおさまりが難しかった。
稲穂の成長を見ながらの仕事。すっかりたわわに実りました。
御影石カズラ石とアイアンウッド(ウリン)の門柱です。
この家に似合うようにオリジナルでこしらえました。
門柱も階段もなんてことのないデザインですが、寸法とおさまりで結構悩みました。(いつものことですが・・・)
見た目のカッコ良さだけでなく、「使いやすさ」を考えた造園工事。
それが僕にとっての良い仕事です。
良い仕事をさせていただきありがとうございました!
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夏休み終盤は。
ハウスビジョンへ行ってきました。
「家」を通じて未来をみつめてみる。というエキシビジョン。
結局、合計3回も行ってしまいました。
お目当てはトークセッション。
永山祐子。
西畠清順。
谷尻誠。
隈研吾。
先端を行く人の話はどれもむちゃくちゃ面白かったわけで。
にしてもモデレーターを務める原研哉さん。天才かと思う。
「モノ作り」からの「コト作り」。
原研哉さんの考え方に、僕はしばらく影響を受けそうです・・・。
未来というと。
モノの飽和。
人々の物欲は低下し資本主義社会が行き詰る。
いつ起きてもおかしくない巨大地震。
少子高齢化。
一極集中。地方の衰退。
人工知能やロボットに多くの人が仕事を奪われて。
超格差社会。
多すぎる不安材料。
10年後、僕は造園屋として飯を食えているのだろうか?
心配性な性格なので、ニュースを見ながらそんなことをよく考えます。
右往左往するだけで何をどうしたらいいのか途方に暮れるだけで。
でもハウスビジョンに通って、見て聞いて、考えて。
未来がパァッと明るくなることはないけど。
必ずしも人の想像通りにはいかないと思うけど。
資本主義の行く末は、まだまだ、みんながハッピーになれる方法がありそうです。
ニッポンの再発見によって。
モノ作りではなくコト作りによって。
新しい生き方とかビジネスが生まれてくる。
新しく知ることが多すぎて、消化しきれていませんが。
造園屋としても未来に提示できるアイディアがありそう。世の中や人の暮らしを良くしつつ、僕らも飯を食えるような。
僕らの仕事は現場で仕事してナンボなので今後の仕事で示せていければと思います。
町の小さな造園屋ですがそんなことを考えながら、泥だらけになりながら仕事してます。
東京へ行ったついでに。
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の土木展へも行ってきましたー。
この男の家に泊めてもらいながら!
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8月21日〜8月27日、遅めの夏休みをいただきました。
前回休んだのいつだっけ?ってくらい休んでいなかったので長めの夏休みにしました。
車にキャンプ道具を積んで。とりあえず家を出発・・・
中央道を走り。
まずは岐阜県・恵那峡の「国民宿舎恵那山荘キャンプ場」で一泊。
大好きなアカマツ林に囲まれたスペースにテントを張って。
見上げたアカマツの枝が気持ちいいのでタープは張らず。
「テントを張れば、そこが庭になる。」
勝手にスノーピークのキャッチコピーを考えてみるw
恵那峡を後にして、嫁さんのご両親が暮らす福井県に滞在した後は、
急遽京都へ行くことに。
今もお世話になっている先輩に挨拶して!
僕もいつか所有したい石造品がいっぱいです。
そして。久しぶりの天龍寺へ!
この庭園を維持管理している会社に勤めていました。
急な訪問にも関わらず、かつての同僚が歓迎してくれて。
しかも番頭さんが庭園を案内してくれました。
庭の世界じゃあまりにも有名な曹源池庭園。
夢想国師が作った、今見てもアバンギャルドな滝石組みの背景には帯状の林が幾重にも連なっていて。その林が優雅な佇まいの山に続いていく。
写真では分かりにくいけど、林の色の濃さのグラデーションがカッコよすぎる。激しい滝石組みと優雅な山の対比がおもしろい。
山紫水明っていう言葉を思い出す。
こちら側の奥に見える愛宕山は番頭さんが手を入れるまでは茂った樹木で見えなかった。
山に生えた巨木を何本も切り倒して実現したこの景色。
愛宕山もまた庭の一部になっている。
以前よりもアカマツの苗木があちこちに植えられていました。
昭和の初めまでこの一帯は見事なアカマツ林でした。古写真で残っています。
マツクイムシの流行で現在はほとんどのアカマツが姿を消してしまいましたが、番頭さんは昔の景色を再現しようとしています。
再現するだけではなく巨大化しすぎた常緑広葉樹などいらないものは伐採・整理したり、モミジやサクラ・ツツジなどの花木を増やしたり、園内を散策して楽しくなるような仕掛けがそこここにありました。
特に春と秋。それはそれは美しい景色になることでしょう。
たぶん、リアルに「桃源郷」を作ろうとしているのだと思う。
パワーアップしていた天龍寺。どこまで行くんだ天龍寺。
数十年も変わらぬ姿勢で天龍寺の庭に取り組む番頭さんの気迫に久しぶりに触れて、感動して少し泣けた。
僕も人の気持ちを揺さぶれる造園屋になりたいです。
ありがとうございました。
ベタな場所でベタな一枚を。
ラーメンタンポポ!隣のボロアパートに暮らしていた頃よく食べてた。
変わらぬ味でした。
風呂に入るのに、一旦屋外に出なきゃいけない構造だったボロアパート。
小さな専用庭は板塀で囲って安曇川砂利敷いて鉢植えのツバキで飾ったっけ。
冬は寒くて不便で。でもなかなか風情のある暮らしだったなー。
10年以上も前の話。今もそのボロアパートが現存してたのでビックリした。
リニューアルしていた坪田商店。
根切りやカナテコとか地ゴテとか。作り手の高齢化&跡継ぎ不足で無くなっていた商品がたくさんあった。
ツボタフリークの僕はこれからどうやって生きていけばいいんだろう・・・。
京都を後にして、今度は太平洋側を走り帰路につきました。
浜名湖沿いでキャンプ。今度はクロマツ林が御馳走です。
「テントを張れば、そこが庭になる。」
もう一回言ってみるw
「人生に、野遊びを。」
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結局お盆休みナシで仕事しています。
今年は新規のお手入れ依頼が多数あったので。
ありがたいことです。
仕事がある時にせっせと働かないと。
夏休みはずらして取る予定です。
2016年夏。西日本は例年通りに暑いようですが、関東は涼しいです。気味悪いくらいに。
梅雨明けも遅かったので体が楽です。
2020年の東京五輪も今年みたいな夏になればいいのに。例年通りの暑さじゃ選手が可哀想です。
ヒートアイランドの手っ取り早い解決策はやっぱり「植物」ですかねー。
どうせ暑い時季にやらなきゃいけないオリンピックなら世界で一番の緑化技術を駆使した東京で臨んだらどうでしょう。
コンクリートジャングルがリアルなジャングルになったら。都市機能がジャングルと共存できるのなら素敵です。
今年の春にリガーデンさせていただいたお庭のお手入れに行ってきました。
作った園路や竹垣が既存の植物と良い感じに絡み合ってきました。
お手入れと並行して階段の作り替えと門柱の工事も進めています。
歩きやすさ重視なので踏面と蹴上のバランスで少し悩みました。
もうすぐ完成です。
ところで最近改めて生垣の手入れって難しいなぁって思います。
単純に天端をまっすぐに刈れば良いのだけれど、それがけっこう難しい。
一本の生垣でも部分によって日照条件が違う場合、毎年注意して刈らないと直線が歪んできたりします。
大きな木の下の部分はあっさりで、日がガンガン当たる部分は強めに、とか。
この生垣は高くなりすぎて防犯上良くないのでバッサリ低くしました。
これくらいの距離なら水糸も水平器もいりません。。
最近改めて生垣って良いなぁって思います。
大昔からある庭のアイテムですが、可能性を感じる。
もっと庭の中で効果的に使える気がする。
というか良い生垣は既にたくさん存在していることを思い出した。
そのなかの一つ
京都円通寺の庭の中の生垣。
比叡山の借景や石組み、スギヒノキの木立のセンスの良さもさることながら、
生垣の樹種、高さのセンス良すぎ。
ホント何気ないけどこーゆー仕事ができる造園屋になりたいな。
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段取りに余裕があったのでまずは「シン・ゴジラ」を見て。
面白かったです!震えるくらいに。
ネタバレしちゃいけないので感想はそのくらいで。
ハンバーガー&昼間からのビールでエネルギーチャージして!
普段、嫁さんが作ってくれるのはババ飯が多いので(感謝してます)、その反動で休日はジャンクフードが食べたくなっちゃう。
そして銀座「ウルトラ植物博覧会2016」へ。
からの〜青海で開催されている「ハウスビジョン2」へ。
トークイベントにはプラントハンターの西畠清順氏。これが今日の目的でした。
テレビ・雑誌でよく見かけます。というか見るようにしています。インスタもフォローさせてもらっています。
メディアを通して見ることができる西畠氏の印象は正直あまり良いものではありませんでした。彼の話すことは夢がたくさん詰まっていて聞こえはいいのですが共感が持てないこともあり。インスタで度々尻を出した写真を上げてるし。
「花宇」という老舗花材卸問屋の5代目というカリスマ的な生い立ちへの嫉妬もあったかもしれません。
じゃあ実際はどうなのだろう。ということで今回行ってきました。
結果を言うと、ファンになってしまいましたね。
最終的に彼は一本でも多くの植物を植えたいのだと思う。そうすれば世界は変わる。地球は変わる。と信じて。
それを達成するためにちょっと大げさにアピールして企業や行政の懐にうまいこと入り、そのお金を利用して植物を植える。イベントを開いたり植物園を作ったりして啓蒙活動をする。一般の人々に植物の面白さや大切さを分かってもらい、植物を植えたいと思う人を増やす。
植物を武器にここまでできるものなんだな。って思いました。
ウチは本当に小さな小さな造園会社ですが、でもぼくらみたいな末端こそが同じ思いを共有して行動することが大事なんだって。
そして植物を植えて緑を増やすだけじゃいけません。そこは造園屋として声を大にして言いたい。
やはり山でも都市でも植えた植物には手入れが必要です。手入れをしなければ山は荒れるし都市はあっという間に緑に飲み込まれてしまうから。特に日本では植物のパワーをあなどっちゃいけません。共存するには絶対に手入れが必要です。それができるのが造園屋です。
そんな感じで。
夜もやっぱりジャンクフード食べながら一人反省会。
JR川越駅のすぐ横のラーメン屋。ここのラーメンはもはやジャンクフードではないかもしれない・・・。
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お世話になりありがとうございます。造園あら井です。
ご報告遅れましたが7月1日をもちまして株式会社になりました。
前株です。「株式会社 造園あら井」と表記します。
法人化したからといって仕事のしかた、気持ち、スタンス。何も変わりません。
今まで通り、ご依頼があればそちらに赴き、お話をお伺いし、現場を見て、お客さんと一緒に考え、悩み、閃き、提案し、話がまとまれば施工させていただく。竣工後は定期的にお手入れして、庭がもっと良くなるように努力する。
そんな感じです。
自分が良いと思える仕事ができて、お客さんに喜んでもらえてご飯を食べていけるのなら最高です。
法人化することに全く興味がなかった僕ですが。周りに勧められ、周りに動いてもらい株式会社になりました。
なのでメリットデメリットイロイロあるらしいですが、僕には聞かないでください。ホント何も分かっていないので。
ムズカシイことはその方面のプロに任せてあります。僕は造園に集中するだけ。
なぜ会社にしたのかと言うとただ一つ、信用度が増すということなので。それだけが決め手です。
個人のお客様はもちろん、寺院・ホテル・店舗・旅館・料亭・新興宗教施設・美術館・公共事業・企業・ガーデニングコンテストなど、修行中を含め今までに経験させていただいた現場の数は多い方だと思っています。
同じ庭仕事でも現場により仕事の進め方・納め方はそれぞれでした。
せっかくなので経験を活かしてさらに面白い仕事に挑戦できればなぁって最近思います。今後の目標です。
今後とも?造園あら井をよろしくお願いいたします。
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